生産者
現在、ブラッセリーはルドヴィックと彼の妻、
そしてステファンの3人で管理している。
彼らの造るビールは上面醗酵のエール・スタイル。
原料の大麦と小麦、ホップは100%ビオロジック。
酵母はブラッセリーオリジナルの培養酵母を使用。
フィルター、パストリゼーション(低温殺菌)は一切なし。
製造の工程で余計な手を加えず、原料のモルト(麦芽)を
限りなくシンプルかつナチュラルな
ビールに仕上げること心掛けています。
ディーヴ・ブテイユなど、
自然派ワインサロンに出展することが多く、
自然派のヴィニョロン達からも絶大な支持を得ている。
年間生産量は10万リットル。パリをはじめフランス全域の自然派ワインバー、
レストラン、海外はアメリカ、カナダ、イギリス、イタリア、
北欧、日本など着実に販路を広げている。
ブラッセリー創設:2003年
年間生産量:10万リットル
ビールのスタイル:エールビール
ビールの種類:ビエール・ブランシュ、ビエール・ブロンド、
ピエール・アンブレ、ピエール・ド・ノエル
原材料:大麦麦芽、小麦麦芽、ホップ、サトウキビ、
セール・ラ・ロンド村の地下水
ホップの種類:アロマホップ(ストリスルスパルト、ソブリン、スマラグド)
ビターホップ(ブリュワーズ・ゴールド、アドミラル、ハラタウ)
ビール酵母:ブラッセリー・ド・ラ・ピジョンネールのセレクション酵母
(元種はベルギーのブラッセリー・デュポンから)
ビールのアイテム
◎ロワレット(ビエール・ブロンド:アルコール度数5.5%)
モルト:大麦麦芽(ピルスモルト93%、ミュンヘンモルト7%)、
ホップ:ストリスルシュパルト、ブリュワーズ・ゴールド
◎ロワレット(ビエール・アンブレ:アルコール度数7.5%)
モルト:大麦麦芽(ピルスモルト71%、ミュンヘンモルト29%)、
ホップ(ストリスルシュパルト、ブリュワーズ・ゴールド)
◎ラ・サラマンドル(ピエール・ブロンド:アルコール度数6.5%)
モルト:大麦麦芽(ピルスモルト100%)、
ホップ(ソブリン、スマラグド、アドミラル)
◎ピエール・デュ・シャモー(ビエール・ブランシュ:アルコール度数3.5%)
モルト:大麦麦芽
ホップ(ソブリン、ハラウタ)
醸造方法
・モルトを粉砕機に掛ける。
ステンレスタンクの中に細かく砕いたモルトを入れ、
平均60度のお湯で2時間かけて混ぜ合わせもろみをつくる。
もろみをいったん濾過し、
タンク内に残ったビール滓にもう一度お湯を流し込み、
糖化された麦のスープを作る。
その糖化されたスープを100度で沸騰させ、
同時にビターホップとアロマホップを
2回に分けて入れて、苦みと香りづけをした麦汁をつくる。
出来上がった麦汁を濾して20度まで冷却し、
そしてセレクション酵母を添加し一次醗酵を行う。
醗酵温度は25~30度で期間は10日間~24日間。
1Lの麦汁に5gの砂糖を溶かしたシロップを混ぜ合わせ、瓶詰め。
二次醗酵で泡が出来始める3週間後から出荷開始。
・モルトとホップ、水、セレクション酵母、糖以外添加物は一切なし!
・ノンフィルターでパストリゼーション(低温殺菌)なし!
・二次醗酵の時に酵母を添加していません。
(一次醗酵の酵母をそのまま活用)
ブラッセリー・ド・ラ・ピジョンネールのビールの愛好家には、
フレデリック・コサール、ティエリ・ピュズラ、ジャン・フォワヤールをはじめ
ルネ・モス、パスカル・ポテール、フィリップ・ヴァレット、
フィリップ・ジャンボン、デコンブ、クリスチャン・ビネール、
ブリュノ・デュシェーンなど他にもたくさんの
自然派ワイン生産者の名前が連なる。
生産者だけでなく、パリでもヴェール・ヴォレやバラタン、セヴロ、
シェ・ミッシェル、ラシーヌ、シャトーブリアン、
セプティム他80以上のレストランや、カーヴ・デ・パピーユ、
カーヴ・オジェ、カーヴ・デュ・パンテオン、
オー・ヌーヴォー・ネなど40以上のカーヴィストと取引がある。
その他、フランス各地域の主な自然派レストラン、
国外ではアメリカ、カナダ、イギリス、北欧、イタリア、
スイスなどにも輸出しており、
年間10万本という小さなパイを分け合っている!
麦芽とホップと水だけで造るシンプルなエールビールを
クリーミーな泡立ちの喉越し爽快なビールをつくり上げる
ルドヴィック&ステファン・アルドアン。
フランス国内のみならず、お隣のビール大国ベルギー、ドイツを含め
数多くのマイクロブルワリーがひひしめく中、彼らのビールは、
とりわけ自然派ワインの業界で絶大な支持を得てます。
ピジョンネールールの愛好家であるティエリ・ピュズラは、
彼らのビールの美味しさをずばり「酵母が生きているから!」と答える。
確かに、彼らのビールは、甘藷糖を添加しビールの泡を作るが、
泡を作るのはあくまで一次醗酵の酵母で、
シャンパーニュのように甘藷糖の添加の際に
新たに培養酵母を添加するということはない。
さらに、二次醗酵で泡が生成されてもデコルジュマンをしないので、
酵母は瓶内に澱となって残る。
ビールの泡をつくるために途中甘藷糖を加えるにせよ、
一次醗酵の酵母をそのまま活かすというやり方は、
どこかペティアン・ナチュレルに似ていて面白い。
もしかしたらこの辺りが自然派ワイン愛好家に支持される理由なのか?
この点について、直接ルドヴィックに聞いてみた。
彼曰く「確かに、影響はある。」とのこと。
ビール業とワイン業は畑が違うが、でも彼自身ペティアン・ナチュレルの
エスプリに影響を受けた一人で、大のペティアン愛好家だ。
当時、ブラッセリーを立ち上げる以前、彼と弟のステファンは
パリを中心にベルギービールを販売する仕事をしていた。
彼らの仕入れていたビールは大手ではなく、
ブリュッセルのカンティヨン醸造所やエノー州のデュポン醸造所など
ナチュラル思考のクラフトビールだった。
クライアントは、当時から上記に挙げたようなナチュラルなビールに関心を持つ
レストランやカーヴィストがほとんどだった。
販売先では、ビールを配達する際に、
ついでの一杯としてワインを勧められることが多く、
その時経験したワインほとんどが゛自然派ワインだった。
そんな中、初めてクリスチャン・ショサールのヴヴレーの
ペティアン・ナチュレルを飲んだ時に、彼は大きな衝撃を受けたそうです。
「いつかペティアン・ナチュレルのような自然なビールをつくってみたい!」
この時点で、ペティアン・ナチュレルのエスプリが注入されたルドヴィック。
麦芽やホップなどを全てビオにしたのも、
麦汁を完全ノンフィルターにしたのも
ペティアン・ナチュレルを意識した結果です。
立上げ当時は、ナチュラルを極めようとカスティヨン醸造所のような
天然酵母のランビックビールに何度か挑戦したことがあったそうだが、゛
そもそも彼の求めているヴァン・ド・ソワフ的な味わいはそこになく、
また蔵付き酵母の安定していない醸造所では醗酵が難しく、
ほとんどが失敗で終わったそうだ。
試行錯誤を繰り返す中で、シンプルかつナチュラルな方法で
彼らが納得する味わいにたどり着いたのが今のロワレットでした。
ルドヴィックは言う、「ビール造りはワインと違って、ミレジムによって
根本の味わいが左右されることはない。
味わいを人の手でコントロール出来る分、
それだけ素材やつくる人のセンスがビールの味わいに出る。」と。
インポーターのヴァンクールさんの資料より
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