アルツァイはラインヘッセンの南西に位置しており、
ラインヘッセンでよく見られるレス土壌、石灰岩土壌に加え、
アルツァイには「メラフュール」(黒ヒン岩)という
火山性土壌が存在する。
クリストファーが所有する主な畑は
アルツァイの西側にある区画「アルツァイァー・ローテンフェルツ」だ。
斜面になっている畑の下部にはレス土壌があり、
その部分にはピノ系品種が植えられ、
黒ヒン岩が存在する区画にはリースリングが植えられる。
村の西側には巨大な石灰岩の岩盤の上に広がる
「ローマーベルグ」という畑があり、
ここではリースリングとシュペートブルグンダーが植えられている。
アルツァイの西側にある村ワインハイムでは
泥灰土や赤土の上でシルヴァーナーが栽培されている。
「メラフュール」はドイツ国内でこのアルツァイ周辺から
ナーヘ地方でしか見られない。
この痩せた土壌はブドウ樹の成長速度を抑え、
それ故果実はとても小さくなり、
凝縮感と強調されたアロマがあるワインが造られる。
この火山性土壌と砂質及び石灰岩土壌の影響で
彼のワインには鉱物を削って混ぜたような
強いミネラルのニュアンスが出る。
まだワイン造りを始めて間もないことから、
彼は色々と試行錯誤を重ね、微調整をしながら
自分が求めるワインを追求している。
実際にワイナリーで古いビンテージを試飲すると、
「少し前は自分が打ち出したい味わいに迷いがあった。」という
彼の発言が理解できる。
「今では自分がこういう味わいにしたいというより、
ブドウ樹のサポートをする役に徹したいという気持ちが強い。
このアルツァイの土地の味わいを
クリアにワインに表現させることができたら何よりも嬉しいよ。」
樽試飲させてもらった瓶詰めを待つワインは、
彼がいうようにより肩の力が抜け、余分なものを削ぎ落としている。
彼の今後が楽しみでならない。
クライン・アバ・ワインさんの資料より
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