「良い畑があれば、自分はどこでもワインが造れる」と
自身の利点を語っていますが、より良いワインを生み出すため、
本拠地ボージョレ・マコネーから半径25km以内の地域に限定しています。
ボージョレには昔からブドウを育てる事だけに
専念する「ブドウ栽培家」がいます。
彼らは醸造をしないためひたすら畑でブドウの栽培に力を費やすのです。
おのずと質のいいブドウを確保しやすいエリアである
ということに着眼したアロンソ。
しかしただ出来たブドウを買取るだけではなく、栽培の仕方、収穫の時期、
収穫のやり方を細かく注文できる契約になっています。
だから最後までブドウの品質を自分の目で確認できるのです。
天候が悪く、日が当たらないなど、急な天候の変化に対応するために
素早い対応が必要なときなども、このシステムは質のいいブドウを手にでき
非常に有利に働くのです。
リヨンで生まれたアロンソは、まずモンペリエの大学でワイン醸造を学び、
ボーヌでエノローグの資格を取得、その後ソムリエとして
ワイン販売の経験を積みました。
醸造家としての始まりは、スイス、ジュネーヴ近郊の
ドメーヌ・ヴィーニュ・ブランシュ。
そこで数多くのブドウ品種の醸造を経験しました。
次いでサヴォア地方ビュジェのドメーヌ・デ・ヴィーニュ・ウーヴリエに移り、
寒冷地でブドウ栽培はとても厳しい場所でしたが、
ここで多くの自然派生産者と親交を結びワイン造りに
対する考え方を確立しました。
その後、現在の本拠地ボージョレに戻り、
ラピエールに独立を勧められ会社設立まで絶大な支援を得たのです。
この地でラピエールとのコラボで造り上げた
サヴォアで人気の「ビュジェセルドン」
と同タイプのやや甘口のロゼペティアン「?」マークの
「ポワン・アンテロガシオン」により自然派ワイン界で
大きく知られる存在となったのです。
ストイックなまでの自然へのこだわり醸造の哲学は、自然派ワインの生みの親
「ジュール・ショーヴェ」から受け継いだ、昔ながらの自然な醸造そのものです。
その土地のテロワールを最大限表現するため、自然農法で育てられた
健全なブドウのみを収穫し、除梗せずに醗酵槽に入れます。
その時も不要な圧力がブドウにかかるのを避けるため
ベルトコンベアを使い重力だけで落とすというやりかた。
そして自生酵母だけの力でSO2(酸化防止剤)等の添加物を
一切使用せずにゆっくり醸造します。
そしてブドウ本来の旨みを残すためノンフィルター(無濾過)
ノンコラージュ(無清澄)で瓶詰めします。
出来上がったワインの状況を見定め、必要があれば最小限・極微量のSO2を
瓶詰め時に加える場合があります。
「環境や条件によって柔軟に仕事の進め方を変えつつ、より良いものを・・」
長年の経験と多くの優れた栽培家との深い信頼関係に培われたアロンソが生み出す
「とっておきのヴァン・ナチュール」なのです。
徹底的に自然派=P-U-R
アロンソのワインショップ「P-U-R」と店内の「P-U-R」コーナー。
彼は、このP-U-Rというブランドに今までの集大成とも言える熱意を注いでおり、
このP-U-Rラベルはアロンソのものであり→健全なブドウを使っている
→絶対美味しくて、絶対安心なワインである、
という一連の思いを飲む人全てにもって欲しいと、
強い意識付けをゴールに設定しています。
つまり、例えば私たちがABマークを見て
「これは科学的なものを使わないブドウから造られたワインなんだ、
然るべき機関で与えられている認証なんだから間違いない」と無条件に
安心を手にするように、彼はこのP-U-Rがそれと同じような、
あるいは、それを越える安心、そして「絶対的な美味しさ」
をこの3文字に重ねたのです。
シリル・アロンソ=旨いビオ=P-U-R これが彼の答えでした。
ディオニーさんの資料より
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