その後、この地域の自然派ワイン生産者の
兄貴分的存在であるルネ・モスをはじめ、
様々な生産者の元での仕事をかけもちしながら、
2007年にはじめて自身のワイン造りを始めました。
そして経験を重ね自信を深めた2012年に独立を果たし、
ワイン生産者への道をしっかりと歩みはじめました。
ルネ・モスやディディエ・シャファルドンらからワイン造りの手法を教わり、
同時に様々なアイデアを共有してもらってワイン造りを始めたトビーですが、
彼との会話は、いわゆるフランスの生産者達とのそれとは異なります。
ジョークの質が違うと言えば良いのでしょうか、
会話のリズムや流れ、明るさの質がフランス人生産者に
慣れた私たちには新鮮です。
人当たりは柔らかく気のいい雰囲気のトビーですが、
繊細な面や少しぬけた所もあって憎めない奴というタイプの人柄です。
ワインの味わいからもそんな彼の性格がピュアに感じられ
気楽に楽しめる軽快な飲み口と
気負わない果実の純粋さが楽しめます。
「ワインに関わる仕事をしている時、常に満たされていると感じます。
気分がふさぎ込んでいる時は、とにかくひたすら畑を耕すのが好きです。」
畑や醸造所を親から引き継いでいるわけでもなく、
縁のない土地でワイン造りに挑戦するイギリス人ならではの
苦労を感じる時もあるのでしょう、そんな苦労も自然の中で
無心に働ける喜びによって乗り越え、
まっすぐと自分の理想と感じるワイン造りを
進めて行きます。
トビー・ベインブリッジに理想のワインの姿を尋ねると、
「心も体も清浄な状態にしてくれるワイン」という答えが返ってきます。
紆余曲折を経て辿り着いた安息の土地で、
大好きな自然と関わりながらの仕事に喜びを見出した彼。
ワインを通じてその穏やかな心を感じて頂ければと思います。
インポーターの野村ユニソンさんの資料より
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