★野村ユニソンさんの資料から
無垢で純粋。この新しいシャンパーニュの生産者は、
日本はおろかフランス国外にワインを売ったことがないという
全く無名の生産者です。
国際市場においてのシャンパーニュ全盛の時代にあっては
非常に珍しい事だといえますが、
彼の場合は商業的な立場にたって輸出をする必要がないほど
地元で多くの人に親しまれてきたのです。
生産されたほぼ全ての量が、
地元やレストランでアペリティフ(食前酒)や食中酒として飲まれ、
気負わないカジュアルなシャンパーニュとして
多くの人に喜ばれてきました。
かっこつけて飲むのがシャンパーニュではなく、
日々の生活の中で食卓を彩り、
家族や友人との会話を彩るそんな飲み物として人気があるのです。
これこそが「シャンパーニュを飲む」という文化なのかもしれません。
ブランド・ブランを得意とする彼のシャンパーニュはどれも、
シャンパーニュに求められる繊細な泡立ちや
ふくよかな果実味などを余すところ無く備え、
また私たち日本人の味覚に訴えかける清涼感と
深遠な複雑味を持った素晴らしいワインです。
いわゆる自然派といったタイプの生産者ではありませんが、
伝統的で、下手な化粧気のない素直なワインを造っています。
この地方では、自然派的なアプローチで成功している生産者はごく僅かですが、
シャンパーニュの製法を鑑みた場合に一部の例外
(ジャック・セロスやジェローム・プレヴォーなど)を除くと
彼のような伝統的なスタイルのワインのほうが
一日の長があるのではと思います。
最新の解説
高品質なシャンパーニュ、特にシャルドネによる
最上のブラン・ド・ブランを産するクラマン村。
この地に拠を構えるプチジャン ピエンヌは、所有する多くの畑が
グランクリュに格付けされている伝統的家族経営のメゾンです。
ビジネスライクな生産者が多いこのシャンパーニュにあって、
当主ドゥニ ピエンヌは、少年のように純粋で無垢な心を持っています。
今まで日本はおろかフランス国外にも
ワインを輸出したことが無いというほど国内で愛され、
その結果、商売っ気よりも無邪気さ、
純粋さがそのままワインに詰められています。
「擦れていない」という表現が一番しっくりくるのですが、
それもそのはず、地元で愛されるためには、
華美なブランドイメージを誇張するのではなく、
誠実さや真摯さから生み出される本当の品質を求めることが重要だからです。
メゾン概略
プチジャン・ピエンヌは、3世代にわたってブドウ畑と
ワインに従事している「レコルタンマニュピュラン」の生産者です。
3.8ヘクタールの畑を栽培し、うちクラマン、アヴィーズ、
シュイイに分かれた2.4ヘクタールがグランクリュに等級付けされています。
仕事に対する当主ドゥニ氏の情熱は語りつくせないほどで、
日々の時間ほとんどをワイン造りに費やしています。
訪問した際も、栽培の方法や畑の管理について語りながら、
気になる芽や房をどんどんと摘んでいき、ひと時たりとも手を休めません。
「あっちの畑の生産者は少し怠け者なんだ、
もう少し仕事をすれば良いのに」などとつぶやきながら、
マイペースに話し続け、どんどんと畑の奥へと進んでいきます。
生産効率や価格のことばかり考えているシャンパーニュの生産者が多い中で、
ここまで「熱い」人物に出会えたことは非常に幸運だと言えます。
トラクターの選択、選定方法、畑の管理、醸造設備の選択など、
全ての点にこだわりを発揮し、高品質なシャンパーニュを生み出していながらも、
比較的リーズナブルな価格で、
彼のワインを飲めることに感謝したくなるほどです。
「うちは本当にちっぽけなメゾンだからね、
モエ・シャンドンのようにはいかないよ。」
立派すぎるほど立派な地下セラーで、
はにかみながら語るドゥニ氏の手は、
ゴツゴツとしたまさに仕事人のものでした。
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過去の取扱いアイテム一覧
https://www.sakemorita.com/old/petitjeanpienne_a.html