1897年創業のクロード・カザルは、対照的なこれらふたつのグランクリュと
その周辺のプルミエクリュのみに約9haの畑を所有する
レコルタン・マニピュランである。
同時に、長い間ボランジェやルイ・ロデレールなど
トップ・メゾンにブ ドウを供給してきた。
更に、現当主デルフィーヌ・カザルの祖父オリヴィエ・カ ザルの代から、
これらのメゾンと契約する栽培家のブドウを
圧搾するプレス・ ハウスを務めており、
2004年にル・メニル・シュール・オジェに醸造用セラーを 新設して以降は、
メゾンからの要請を受け、プレスだけではなく果汁を
ワイン にする工程も請け負っている。
ブドウの供給元となるだけにとどまらず、
シャンパーニュ最高のメゾンの数々に
契約栽培家のブドウのプレスから醸造までを 一任されていることからも、
この造り手の傑出した力量が伺える。
ブドウ栽培にはリュット・レゾネを採用。醸造にはステンレスタンクを用い、
アルコール発酵とマロラクティック発酵を行う。ベースワインの醸造は
ル・メニ ル・シュール・オジェの醸造施設で行われるが、
最低でも36ヶ月という長い熟成には
オジェにある邸宅の地下セラーが用いられる。
クロード・カザルの代名詞となる畑クロ・カザルは、
オジェの丘の麓にあるこの建物を取り囲むように広がる。
シャンパーニュの希少なクロの中でも数少な いグランクリュのクロだ。
その面積は3.75ha。クロの名の通り壁に囲まれているため、
周囲の畑よりも暖かいミクロクリマがブドウに最大限の熟度をもたらし、
ブドウの糖度はクロの外の畑よりも1度高くなるという。
オジェの豊かな果実を更に引き立てるこの特別な畑は、
1950年代にカザル家の手により植樹され、
そのブドウはかつて有名メゾンのプレステージ・キュヴェに使われていた。
しかし、現当主のデルフィーヌは、この畑は単独で瓶詰めすべきだと考え、
頑なに慣習を守ろうとする父親を懸命に説得。
彼女の数年越しの努力が実り、
1995年に初めてクロの古樹の区画のブドウのみからクロ・カザルが造られた。
これは、クロ・デュ・メニルやクロ・デ・ゴワセと同じ
数少ないクロの単一畑のシャンパーニュであり、
ニール・ベケットの『1001 Wines you must taste before you die
(死ぬ前に飲むべき1001ワイン)』や、
フランスの主要ワインガイド、ルヴュ・デュ・ヴァン・ド・フランスの
『偉大なブラン・ド・ブラン』特集に大きく取り上げられている。
常に高い質を求めて代々受け継がれてきたカザル家のシャンパーニュの魅力は、
ピュアでリッチなスタイルだ。
ル・メニル・シュール・オジェの研ぎ澄ま されたエレガンスや、
オジェの大らかなエレガンスを豊かな果実が包み込む。
シャンパーニュに精通する評論家マイケル・エドワーズはその著書の中で、
「デルフィーヌのクロード・カザルス・シャンパンは、
レコルタン・マニピュランのお手本のようなシャンパン」と評し、
シャンパーニュ評論家リチャード・ジューリンは
この造り手を4ツ星に格付けている。
フィラデスさんの資料より
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