★地域:Imereti イメレティ
地区、村: Kvaliti クヴァリティ村
歴史:アルチル・グニアワは、先祖代々伝わる、
ブドウ栽培に最適な面積1haの土地を受け継ぎました。
彼の先祖はワイン造りを誇るイメレティ地方のクヴァリティ村に住み着き、
本格的にワイン造りに着手しました。
アルチルの祖父には4人の兄弟がおり、その兄弟は父の遺産を平等に分け
(もちろんブドウ畑とマラニも平等に分けられ)一人当たり
容量約7トン分のクヴェヴリが与えられました。
アルチルは、独自で建てた新しいマラニにそれらのクヴェヴリを埋めました。
彼が本格的にワイン造りを始めたのは20年前のことですが、
ジョージアでは、それぞれの家族がそれぞれのマラニで各々の
ワインを造る伝統があるため、ワイン造りに関する一般的な知識は
当然のように持っていました。
アルチルは、伝統的な方法で、自然のままの製法で
ワイン造りをすることを大切にしています。
2011年から「クヴェヴリワイン協会」のメンバーとなり、
協会と互いに納得できる仕事をしています。
良質なワイン造りのために、畑では環境に優しい物質だけを使い、
ボルドー液は使用しません。
金属やプラスチック製の道具は一切使わず、伝統的な木材の道具を使います。
果汁のプレスにはツァツホゥヴィ(シナノキ科の木)から作られた
大きな「サツナヘリ」という道具を使い、ブドウを軽く踏むと、
果汁がフリーランでクヴェヴリに流れます。
イメレティ地方のワイン造りでは、果汁に対し、その20%分の果房を加えます。
10月には、地中に埋めたクヴェヴリの温度は醗酵に
最適な15℃を超えることはないため、自然醗酵ができ、酵母などは添加しません。
この段階で、クヴェヴリの上部に浮き上がった果皮を
長い棒でよくかき混ぜるのが唯一の手作業です。
醗酵後、クヴェヴリの底に下がった澱を3~5ヶ月ほど残します。
この過程で、ワインに大事な成分が与えられ、芳醇なワインが造られるのです。
3月に澱を下げ、事前にきれいにした別のクヴェヴリに移し、
さらに追加熟成します。
三つの高貴品種である「ツィツカ」・「ツォリコウリ」・「クラフーナ」を
ブレンドする方法は、イメレティ地方では伝統的なワインです。
これらの品種の特徴的な香りと糖分・酸味・タンニンがあり、
バランスの良い調和の取れたワインができ、
結果、新鮮な果実の香りのワインが造られます。
「オツハヌリ・サペレ」という黒紫色のブドウ品種は、
豊かなアロマと強い酸味を持ちます。
この特徴は昔から、白ブドウとのブレンドワインの造るために用いられました。
品種名の「サペレ」はジョージア語で「色をつける」という意味があります。
白の50%「ツォリコウリ」とブレンドすることで、素晴らしいワインができます。
ラシーヌさんの資料より。