トロ・アルバラの設立は 1922年。
モンティーリャ・モリレスで確立された伝統的な手法を頑なに守り
最高のペドロ・ヒメネスを造り続け、スペインの至宝とも呼ばれています。
大陸性の乾燥した土地で作られた葡萄は糖度が非常に高い状態で収穫され、
代名詞となっている DON P.X.(ドン・ペーエキス)用の葡萄は、
丹念に麦わらの上に並べられて約2週間を太陽の下で干すことで、
さらに糖度は上昇します。
そうして干し葡萄状態になったものを圧搾し
(4kgの葡萄から1L の果汁しか得られない)、醗酵させます。
5ヶ月の醗酵の 後、P.X. ワインを蒸留したスピリッツで酒精強化を施して、
その後、長い熟成の期間を経て瓶詰めされます。
これらのワインは、極めて少量生産で、
1930年代の樽まで最高の状態で大切に保管されています。
創設者の子孫であり、現当主であるサー・アントニオ・サンチェスにより、
狂信的ともいえる高潔さをもって、
この「スペインの至宝」は維持されて います。
葡萄栽培の9割以上が高貴品種ペドロ・ヒメネス(P .X.)で、
辛口の白ワインから甘口まで造られている。
(ヘレスでは主に甘口にP.X.が使用され、
辛口の白ワインにはパロミノが栽培・使用されるが、
P.X.はパロミノ に比べて圧倒的に収量が低く、果実味が凝縮している。)
大陸性のとても暑く乾いた気候で、日照量は年間3,000時間。
アルバリサと呼ばれる石灰質土壌が特徴で、
これは漸新世時代(約3,400万年前)にこの地が
内海だった頃の堆積物で構成される美しい白い土壌。
炭酸カルシウムや珪土が多量に含まれ、葡萄にミネラルを与えると同時に、
保湿性が高いため、冬場にしか降らない雨を土壌に蓄えることで
夏場の乾燥した期間でも葡萄に水分を供給することができる。
この圧倒的な太陽の力、そして乾燥と保水のバランスという条件のもとで、
P.X.(ペドロ・ヒメネス)は病害に合わずに完熟する。
もともと糖度が高い品種だが、こうやって健全に完熟したP.X.を用いることで、
14度~16度という高いアルコール度数のワインができる。
このため、モンティーリャ・モリレスの“フィノ”は、
フロール(産膜酵母によってできる白い膜)が発生した後も
酒精強化なしで長期熟成をすることができ、
独自のスタイルをもったワインになります。
醸造方法
トロ・アルバラでは辛口から中辛口タイプと
甘口タイプの2つのレンジでワイン造りを行っている。
○フィノ、アモンティリャード、オロロソ
収穫した完熟 P.X.(ペドロ・ヒメネス)を圧搾する際、
最初に搾られた果汁はホベネス・アフルタード
(アルコール度が10度~12度の若くフレッシュなタイプのワイン)と
フィノ用に選別される。
さらに圧搾し、二番搾りの果汁がオロロソ用となる。
これらはタイプごとに別々にステンレスタンクで醗酵を行い、
ホベネス・アフルタードとするワインは醗酵のあとすぐに瓶詰めされる。
そのほかのワインはさらにマロラクティック醗酵を行い、
コンクリートタンクまたはティナハスと呼ばれる土器の中で
6ヶ月から12ヶ月間貯蔵する。
その後、ソレラ・システムで最低10年以上熟成させる。
フィノは、フロールによって空気から遮断された状態で熟成を経て、
独特の風味をもった味わいになる。
(ソレラ・システムによる熟成。酒精強化なし。)
よりアルコール度の高いオロロソは産膜酵母が生育できないため
フロールは発生せず、木樽で酸化熟成が進む。
その後、規定では最低2年間(トロ・アルバラでは 10年以上)
ソレラ・システムによって熟成を続ける。
フィノが長期間熟成して自然にフロールが消滅した後、
さらに酸化熟成したものがアモンティリャードにな る。
<甘口タイプ> ○ドン・ペーエキス、ドン・ペーエキス・グランレゼルバ&セレクスィオン、
ドン・ペーエキス・コンヴェ ント・セレクスィオン
収穫した完熟 P.X.(ペドロ・ヒメネス)を天日干しした後で、
圧搾、ステンレスタンクで醗酵。P.X.ワインを蒸留したスピリッツで
酒精強化して醗酵を止めた後に、タンクまたは樽で熟成したもの。
ソレラ・システ ムではなく単一年号で熟成させる。
Wさんの資料から。
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