キング夫妻は、フランスの他の地方に比べて
ビオロジックへの転換が遅れていたボルドーで、
1990年からビオロジックでブドウを栽培。
既に1993年にはエコサートによってビオの認証を受けていました。
ジュリアンは、引退するキング氏からフェルマージュ契約で畑を借り受けて、
2015年からナチュラルワイン造りを始めました。
世界を放浪したジュリアンらしく、
シャトー・ブランドーにはオーストラリア、カナダ、
アイルランド、オランダ、メキシコなど
世界中の年齢も性別も国籍も異なる様々な人達が
季節労働者として働きに来ています。
シャトー・ブランドーの栽培面積は9.5 ヘクタール。
7.5ヘクタールでメルロー、2ヘクタールでカベルネ・フランを栽培しています。
平均樹齢は35〜40年で、泥土が混じった粘土石灰岩土壌の丘陵の
南向き斜面に位置しています。
メルローとカベルネ・フランという2つの品種の栽培に適したテロワールです。
⼤⻄洋の影響で湿気がありますが、
それがワインのヴィンテージに個性を与えてくれる要因の⼀つにもなっています。
シャトーの畑の⼤部分が、林と牧場、
果物の木々に囲まれた⼀続きの地所となっていて、
周りと隔離されているため、ビオロジックによるブドウ栽培にとって、
また生態系のバランスと多様性を守るために理想的な土地となっています。
ジュリアンは化学薬品を使わないビオロジックによる生きた土のみが、
テロワールを表現できると信じていて、ビオディナミへの転換も目指しています。
シャトーでは常に畑を注意深く観察し、
畑の僅かな変化も見逃さないようにしています。
畑は馬で耕耘し、畝の間に下草を生やし、
そして⼩⻨などの穀物もブドウと⼀緒に栽培しています。
ジュリアンは馬や犬、鶏など動物に囲まれて
自然の⼀部としてナチュルな生活をしています。
シャトー・ブランドーでは、健全で素直で、テロワールを反映した
ヴァン・ヴィヴォン(生きたワイン)を味わってもらいたいと思って
ワイン造りをしています。
絵画における色彩が作られるのがブドウ畑であるとしたら、
色を塗っていくのが醸造であると考えています。
シャトー・ブランドーでは畑での仕事と同じく、
入念にそして可能な限りナチュラルな方法で醸造を行っています。
ブドウは全て手作業で収穫されます。
そして、すぐに畑で選果され、醸造所に運ばれた所で、
選果台を使ってさらにもう⼀度厳格に選果します。
醸造では、醸造添加物は全く何も加えず、野生酵⺟で自発的に醗酵を行います。
抽出とマセレーションは、それぞれの区画のテロワールの
異なるポテンシャルに応じて、
フレッシュでフルーティな果汁には短いマセレーションを、
豊かでリッチな果汁が得られる区画のブドウには⻑いマセレーションと
強めの抽出を行います。
シャトーでは区画毎に醸造を行えるように、
容量の⼩さな醗酵槽を用いています。
また、ソフトなピジャージュを行えるように、
醗酵層の蓋は幅広になっています。
全てのワインが無濾過・ノンフィルターで瓶詰めされます。
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