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更新日は 2024年 11月 17日 です。
2024年11月 | ||||||
★アンジェ・イヴァンチッチ
●タコイ 2020
*Takoj 2020 / Anže Ivančič
*もう体がとろけちゃいます。
そのくらい衝撃的なフリウラーノ
本日のNo1でした。
いや今まで飲んだフリウラーノの中でも
一番かもしれません。
ただ250本生産の参考出品の為、
裏でお願いして2本のみ分けてくれました。
その為、このワインだけは
他の同額以上のワインを同時に購入して下さい。
一口で衝撃的な感動があります。
アロマティクでほんのりとなんとも言えない
センス良い甘みを感じながら
心地良く熟れた洋梨や白桃、スパイスも効いて
塩加減の良いミネラルが底を支えている。
想像力が尽きないセンスを感じる味わいは
感動と共にニコニコと嬉しく微笑んじゃう
自分自身を確認するのです。
素晴らしすぎて感動の表現は
この辺で止めておきましょう!
2024年2月7日試飲。
容量:750ml
生産年:2020年
生産国:スロヴェニア・ブルダービリャーナ
生産者:アンジェ・イヴァンチッチ
葡萄品種:フリウラーノ
2024年11月 | ||||||
★ アンジェ・イヴァン チッチ
ANZE IVANČIČ
★スロヴェニア西端、イタリアと国境を隔てるBrdaブルダ、
その中心部に位置するビリャーナの町。
イタリア側のゴリツィアやコルモンス、
オスラヴィアまで車で10~20分と近く、
国は違うものの同じ土壌を持つ
「Collioコッリオ」であり、
古くローマ時代にはコッリオの中心地として
繁栄していたとされる土地。
同じ土地個性、ポテンシャルを持っていても、
国を違えるだけでその評価や価値は
大きくかけ離れてしまう。
当主であるアンジェ・イヴァンチッチは 31歳。
両親、親族の中に農業に関わる仕事をしていた者は
なかったものの、幼い頃より自然や畑での
仕事に興味を持ち、農業高校へ進学。
そこで公募していたワイナリー研修制度に
申し込みました。
その研修先こそフリウリ、いやイタリアの代表する
偉大なる白ワインの造り手
「Josko Gravnerヨスコ グラヴネル」の
カンティーナでした。
研修期間が終わった後も、そのままヨスコの元で
10年以上畑とカンティーナで働いたアンジェ。
「ワインを造る上で重要なモノ、
唯一の事はすべてヨスコの元で経験してきた。」、
そう屈託のない笑顔で語るアンジェ。
自宅の近くにある高樹齢のブドウ畑を2018年より借り、
ブドウ栽培、醸造を開始します。
畑は自宅からすぐ近くの約2ha、
樹齢は基本的に古く40年以上のものがほとんど。
一部の区画はビリャーナで一番古い58年という
リボッラ・ジャッラも残っている畑。
土壌は強烈なポンカ(Ponca:堆積岩が風化した土壌)に
覆われており、強いミネラルはもちろん、
崩れやすい岩石の間にブドウ樹の根が深く伸び、
保水性も非常に高い土壌。
樹齢の古い畑は、グイヨーやコルドーネ・スペロナート、
広い間隔で植えられており、
地表より1mほどの高い仕立て。
「この10年で気候も大きく変わった。
最近の夏の暑さだと、地表に近いと
地面からの熱の影響を受けやすく、
必要以上に過熟になりやすい。
古くから行われてきた高い、間隔のあいた仕立ては、
空気の通りが良く熱がこもりにくい、
湿度も抜け病気になる確率も下がり、
ブドウ樹の完熟までに十分に
時間を費やすことが出来る」、
そう考えているアンジェ。
そして、彼のもっとも特出すべき点でもある、
1本の樹から徹底的に収穫量を抑え、
樹上での凝縮と完熟を追求。
樹1つあたり4~6房、
500g~700gという驚異的な低収量。
グリーンハーヴェストで全体の70%程度を
落とすという徹底的な収量制限には驚愕の一言。
「樹に残るより落とすブドウの方が多いもんだから、
近所の農家から
『アイツ頭おかしくなったんじゃないか』、って
よく言われるよ、、」、そう笑うアンジェ。
表土は基本的にほとんど手を加えない。
樹齢が古くバランスがとれている事、
ブドウ樹の仕立てが高い事もあり、
雑草が樹の生育に与える影響は少ないと考えます。
非常に恵まれたポンカに埋め尽くされた土壌に、
50年以上の古いブドウ樹、
近代的な仕立てではなく伝統的ともいえる土地に
見合った仕立て。
そして、そこからさらに目を疑うような
激しい収量制限と、
果皮・種子の完熟だけでは足りない、
その先の「超凝縮」、とでもいうような樹上での完成。
種子まで完熟し茶色く色づいた種子、
「収穫前の粒を割ると、果汁がまるで蜂蜜のような
粘性を持っているんだ」、
そう笑う彼の自然体過ぎるこだわり。
ワイン造りを始めたきっかけから、畑との向き合い方、
そしてワイン造りまで。
ヨスコ・グラヴネルという偉大なる造り手で
構築されたアンジェのフィロソフィ。
醸造については非常にシンプル。
収穫したブドウを除梗し開放桶の中で
4~5週間のマセレーション(果皮浸漬)を行いながら
アルコール醗酵を終えます。
醗酵が終わり、果皮が液面から沈むのを待ちます。
手動のトルキオ(バスケットプレス)にて圧搾し、
木樽に移し24ヶ月の熟成を行います。
強烈に凝縮したモストは非常に糖度が高いこともあり、
非常に緩やかに醗酵が続きます。
アルコール度数も15%を
軽く越えるヴィンテージが多く、
2020のフリウラーノは16%にも迫るほど。
しかし、「アルコール度数が高いだけではない、
それ以外の要素も同様、
いやそれ以上に凝縮しているからこそ
アルコリックに感じない」、そう考えている彼。
カンティーナの設備や生産量の問題もあり、
現在約2年間の樽熟成。
素材のポテンシャルを鑑みれば、
将来的にはもっと長い時間を費やすことも考えています。
しかし、現時点でリリースされている
アンジェのワインに対して、
何か「足りない」と思わされるものは全く感じない、
そう本心で思える味わい。
ヴォリューム感や余韻、果実はもちろんですが、
ボトルの中の液体の密度、情報量の多さ。
美味しいという言葉だけでは全く足りない、
そう自覚してしまうほどの圧倒的な味わい。
ボトル詰めを始めたのは 2018年から。
生産量は僅か3000~4000本には満たない量。
収量制限の話を考えれば、
仕方のない生産量だとご理解いただけると思います。
これほどの若さで凄まじいクオリティ、
可能性を持っていることは間違いありません。
そして、それ以上に彼と話している中で、
完璧というベクトルとは違う、
彼自身の愉しみや喜びに満ち溢れている
ワインであると痛感します。
凄さや偉大さだけではない、人間的な柔らかさと情熱。
彼は今後間違いなく成長していく、
その先に見えるアンジェのワインが、
いったいどれほどの存在を放つのか。
期待以上に鳥肌が立つような感覚に襲われます。
フリウリ、スロヴェニアという枠を超えて
表現しきる「Brdaブルダ=Collioコッリオ」の
ポテンシャル。
これから先の時代を担うアンジェの可能性。
間違いなく覚えていただきたい原石のような造り手です!
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