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更新日は 2024年 11月 17日 です。
2024年11月 | ||||||
★ツィアアイゼン
●タールライン 2019
*Talrain 2019 / Ziereisen
*とってもクールでスパイシーなピノ・ノワールです。
初日は樽が効いているクラッシックな印象ですが、
次第に樽のニュアンスはマイルドになり
柔らかいカシスや
ダークチェリーのニュアンスが現れてきます。
一貫して張りのある酸が心地良い緊張感をもたらし、
溶け込んだタンニンをリードします。
2日目は複雑な構成に胡椒の様なスパイス感に
少し旨塩のニュアンスが加わります。
クールな余韻もとってもお気に入り!
9/1~2/2022試飲
生産年:2019年
生産国:ドイツ・バーデン
生産者:ツィアアイゼン
葡萄品種:シュペートブルグンダー
2024年11月 | ||||||
★ ツィアアイゼン
ZIEREISEN
★「川の向こう岸に石を投げれば
スイス人かフランス人に当たる。」
笑いながらそう話すツィアアイゼン夫妻が
拠点を構えるのはドイツ最南端のバーデン州の
さらに最南端にある小さなエフリンゲン・キエヒェンという村だ。
北部の厳粛な街づくりとは異なり、
この村には太陽の陽気さが漂っている。
フランスとスイスの国境に接するこのバーデン州最南端の一角は
「マークグレーフラーラント」と呼ばれ、
昔からグートエーデル(シャスラ)と
シュペートブルグンダーが栽培されてきた。
この村は、シュヴァルツヴァルトとライン川に挟まれた
標高270~380mに位置しており、
昼間はブルゴーニュから暖かい風が吹き込み、
夜はシュヴァルツヴァルトから冷たい空気が降りてくる。
この二方向からの風がぶつかることで雨雲が形成されやすく、
年間降水量は約1000mm前後に達する。
元々、家具職人として生計を立てていたハンス・ペーターは
1991年にワイナリーを設立し、本格的なワイン造りを始める。
バーデン南部の石灰岩土壌は大抵三畳紀の貝殻石灰質土壌だが、
ツィアアイゼンの畑はブルゴーニュと
同質のジュラ紀の石灰岩土壌で、
この土壌がドイツ国内で見られるのは唯一この場所だ。
「バーデン南部、ジュラ、そしてブルゴーニュの地層は
連綿と繋がっており、ブルゴーニュは
このバーデンの南端から始まっているとも言える。」
彼はブルゴーニュのピノ・ノワールが大好きだ。
しかし、ブルゴーニュを目指すのではなく、
あくまで一つのお手本とし、自分のスタイルを追求する。
実際彼が用いているのは主に
ドイツやスイスのピノ・ノワールのクローンだ。
ワイナリー設立当時、ハンス・ペーターは
シュペートブルグンダーのみ栽培することを
念頭に置いていたが、妻のエーデルトラウトが
この地方の在来種であるグートエーデルも栽培するよう説得し、
現在では生産するワインの50%をシュペートブルグンダー、
25%をグートエーデルが占めている。
設立後の数年間は生産量が少なく、
地元でしか消費されていなかった彼のワインだが、
2000年以降徐々に頭角を現し、
今ではメインストリームから外れた生産者として
絶大な支持を受けている。
というのも、彼は醸造学校で学んだことがなければ、
他の醸造所で実習したこともない。
手当たり次第好きなワインを飲み、
そのワインがどのように造られているか想像し、
また生産者に話を聞きにいったりもする。
あとは現場で試行錯誤するのみというのが彼の理念だ。
また、彼はVDPに加入していないため、
彼のワインは全てラントヴァインでリリースされる。
「補糖はしないし、添加物も使わない。
単純に造りたいワインを造っているだけさ。
審査委員会は画一化されたワインがいいけど、
僕はそういうワインを造りたくないね」。
2004年に野生酵母のみでワインを造ったところ、
バーデンのシュペートブルグンダーとしては
認められないと審査が通らなかったことをきっかけに、
より独自の路線を歩むことを決心した。
そんな彼のワインは、若い時は比較的大人しい。
時間の経過とともに、内に秘めている偉大さが立ち現れてくる。
多くの生産者が認めるのは、ハンス・ペーターが
フランスでは広く共有されている
「ワインに自分で成長させる時間を与える」という視点を
ドイツに広めたパイオニアだということだ。
野生酵母で発酵を促したり、温度管理等はせず、
人的な介入も最低限に抑えるというアプローチは
ドイツにおいてあまり一般的ではなかった。
またドイツにおけるフランス系品種の
偉大なポテンシャルを証明してみせたのも彼である。
ツィアアイゼンは、ドイツのシュペートブルグンダーと
日常酒の範疇を出ることを知らなかった
グートエーデルの底力を世に知らしめた
アイコン的な存在として今後も
革新的なワインを造り続けていくだろう。
クライン・アバ・ワインさんの資料より
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