歴史:ビルギット・ブラウンシュタイン醸造所がある
プルバッハー・ホッターPurbacher Hotterには新石器時代
(紀元前5000~2000年頃)からずっと人類が居住していました。
この集落はアドリア海とバルト海を結ぶ、
ローマ時代以前の重要な通商路であった
琥珀街道沿いに位置していました。
プルバッハのすぐ近くで葡萄栽培がずっと行われていたことを示す
遺物が発掘されました。それは素焼きの甕で、その中には3000年前の
ワイン用葡萄品種ピノ・ブランとゲヴュルツトラミーナーの
種が入っていました。
それは、当時この地域に住んでいたケルト人が
ワインをもたらしたことの証拠と言えるでしょう。
その後ローマ人が湖に近いニーデルングNiederungに住みついたのですが、
この集落はパンノニア州に属していました。
皇帝プローブスの治世時代(276~282年)に葡萄樹をこの州に移植することが
許されました。まず南方から高貴な品種がもたらされ、
南方出身の兵士達が葡萄栽培を引き継ぎました。
以上のことから、3000年以上も前からプルバッハの歴史は
ワインと結びついていると言えるでしょう。
古文書には1272年に最初にプルバッハ産のワインについての
記述が登場します。
1350年以降、プルバッハのワイン造りは新たに栄えました。
シトー会の修道士が新たな品種を持ち込んで、
ライタベルクの斜面にある約20ヨホjoch(11.6ha)あまりの土地に
葡萄を植えたのです。
それが今日のワインの楽園ノイジードラーゼー一帯の出発点となりました。
葡萄畑の面積は次第に増えていきました。
それに従って大きな醸造施設と著上設備の需要が高まりました。
1873年に市場共同体が土地所有権から切り離された時、
市場を囲む壁の外側に空地があり、
そこに新しい醸造施設をライタベルク産の石灰石で建設することになりました。
こうして約80の地下蔵が出来上がり、
それが今日の史跡『プルバッハー・ケラープラッツPurbacher Kellerplatz』と
なっています。その一つをブラウンシュタイン家が所有しています。
2001年12月13日、ノイジードラーゼーはユネスコの世界文化遺産に
認定されました。
このような歴史ある土地で、一族は400年以上前から幾世代にも渡り
ブラウンシュタイン醸造所を経営してきました。
かつては副業として営まれていた葡萄栽培でしたが、
今日では立派な愛情をこめて経営される醸造所となっています。
醸造所解説:伝統だけではなく、情熱、確信を持ち自分を信じること。
それが現当主ビルギット・ブラウンシュタインが400年以上の
葡萄栽培の歴史を持つ家族の醸造所を継いいだ時の信念でした。
1996年にビルギット・ブランウンシュタインは
初めて自分のワインを醸造したが、そのワインを醸造した時は
「人生の中でも本当に幸せな瞬間」だったと彼女は言います。
その幸せを外に向けて発信する為に彼女がエチケットにあしらった、
アイルランドの四つ葉のクローバーのように見える二つの「B」は、
彼女のイニシャルと(訳注:メビウスの輪のように見えることから)
無限という二重の意味を込めたロゴマークです。
土壌:湖のほとりの湿度の高い有機質の層(Anmoor)の上に、
多孔性物質からなる炭素を含んだ湿地(Gleye)があります。
それに隣接して炭素を含んだ準湿地帯(Solonetzboden)があります。
更にプアバッハPurbachの西側にライタ山脈があり、
塩分を含む湿った黒土と黒土(Tschernosem)に一部繋がっており、
それは後に褐色土へと代わっていきます。
反対側には炭素を含み湿った黒土の細く伸びる地帯があり、
その大部分はレンジナ(腐植質に富む土壌で石灰質の母材の上に発達する)と
褐色土です。
醸造:ワインの品質の90%は徹底した葡萄畑の作業で、
残りの10%はセラーで決まると考えています。
ブラウンシュタインの醸造技術には伝統と現代が融合しています。
家の大きさに合わせて建てられた葡萄の受け入れ場から、
完全に健康に熟した葡萄はポンプを用いることなく素早く搬入され、
果梗から外されます(一部例外もあります)。
赤ワイン用ステンレスタンクには円錐形をした
温度コントロール装置がついており、
常時汲み替え(酸素供給)と、果汁に果皮・果肉を浸ける作業を調節しながら
行うことが可能です。これにより、よりよいアロマ、タンニン、
色素を得ることができます。
白ワインの醗酵には特に温度調整は重要な役割を果たします。
非常に香り高くエキストラクトと明瞭な個性がブラウンシュタイン醸造所の
白ワインの特徴です。
熟成:白も赤も6ヶ月まで澱の上で熟成させます。
伝統的な赤ワインは大樽で一年、バリック・ワインは
樫の木の小樽で2年熟成させます。
インポーターの資料から。
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