★クレメンス・ブッシュ氏は、モーゼルでリースリングを手がけており、
急斜面にはりつくブドウ畑を受け継いだ27年前から敢然と自然農法に挑み、
今ではモーゼルはもとよりドイツでも最上の有機生産者に数えられています。
ファーストヴィンテッジ:1975年
地区:Mosel モーゼル、ピュンダリッヒ村
栽培品種:リースリング
自社畑面積:13ha ピュンダリッヒャー・マリエンブルグ
醸造:野生酵母で時間をかけて木樽醗酵。
一番大切なのは、必要なだけ時間をかけること。
クレメンス・ブッシュ氏曰く
「私の所有する畑は、ピュンダリッヒャー・マリエンブルグと言います。
急斜面のブドウ畑ですが、この畑を私の一族はすでに数え切れないほど長年に渡って
世話してきました。私達の住んでいる生産地域ではよく、幾世代
にも渡ってワイン造りを
おこなってきたと言う話を聞きますが、昔はブドウだけではなく
他にも農作物を作って自給自足しているのが普通でした。
そして昔の人がワインを造っていたのは、特に条件に恵まれた急斜面の畑でした。
そこでのブドウ栽培は非常に手間がかかったことは、
昔は機械がなかったことを考えればわかります。それほど多大な労力をかけてまで、
そこにブドウ畑を作ってきたのです。私達の祖先がそうした困難にもかかわらず、
優れたワインを収穫するために急斜面に葡萄畑を造り、それを今、
私達が受け継ぎ守り続けていることを、大変誇りに思っています。
しかし50年ほど前から、ワインは経済的な意味を持ち始めました。
そして本来ブドウの栽培には向かない平地にもブドウ畑が増えました。
平地の畑は機械が使えますから農作業も楽ですし、収穫量も高めることができます。
しかしながら私の父は急斜面のブドウ畑を大切にして、
平地の畑に切り替えるのではなく、
リースリングに向いた畑をさらに増やしていくことを第一に取り組んできました。