ローマっ子のジャン・マルコは法律を学び、
その頃はまだ手が届く価格であった
エドアルド・ヴァレンティーニを、毎日のように楽しんでいたそうです。
優しいまなざしの中に、鋭さを秘めたジャン・マルコは、
コルビエールでワインを造っていたクレマンティーヌとともに、
父上の出身地にもどりました。
グラードリの村でワイン造りをする決心をしたのは、
景勝地として名高いボルセーナ湖に臨む父方の故郷には、
素晴らしいテロワールがあり、牛・ロバ・馬・羊を育てながらの
ブドウ栽培ができる環境があるからでした。
そうです、彼は自前のプレパラートでビオディナミを実践し、
セラーの奥に接する理想的な冷涼な洞窟の中で、
自然派の極致ともいうべきワインを造ろうとしているのです。
ワイン造りは、ジャン・ダール、パカレ、リナルディ、ディディエ・バラル、
ジェラール・シュレールで学び、サンジョヴェーゼの苗は、
ジョヴァンナ・モルガンティとジャンフランコ・ソルデラから、
アレアティコはマッサ・ヴェッキアから入手。
畑の1/3はヴィーニュ・フランセーズと聞いただけで、
興味をもたずにおられるでしょうか。
2002年に初めて彼に出会って以来、私は「あなたがワインを造ったら、
一番に知らせてね」と言い続けてきました。
ブルーノ・シュレールから「彼はまだ植えたばかりだから、
当分ワインは出てこないよ」と聞いていましたが、
2006年に近隣のブドウを分けてもらって、
ロッソ、ビアンコと甘口ワインを一樽づつ作ったと聞き、
まず塚原が昨年6月に飛んでいきました。
奥行き30mもある洞窟には、
リナルディから譲り受けたスラヴォニアン・オークの
ボッテが二つと、パカレから譲り受けた600リットルの樽、
大小さまざまな実験的なキュヴェが控え、
ワインはいずれも不思議なほど還元臭や酸化香の片鱗すら感じさせない、
優しく美しい味わいです。
なお、フラン・ピエ中心の畑でブドウの生育に年月がかかるため、
本格的な生産はこれからですので、楽しみにじっくりお待ちください。
醸造:樽醗酵/樽熟成を行っている。新樽率は10%にも満たないが、
今後は増やしていく予定。
残りは1、2、3年使用の樽を使っている。醸造時には亜硫酸を添加せず。
ドサージュは行わない。醸造過程ではいっさい機械が与することなく、
醸造のための添加物はまったく用いません。
醗酵は土着酵母によって自然に始まり、二酸化硫黄も添加しません。
マロラクティック醗酵は、春季発動が自然に起こります。
醸造と熟成の生産プロセスは一定せず、
ヴィンテッジ(ブドウの成熟度や清潔度)、
ブドウの品種や樹齢などによって変ります。
そのワインに求められるタイプ次第で、単一畑から造るのか、
それとも他の畑産ブドウと混醸するかを選び、醸造はシンプルかつ
自然な手法によって行います。白ワインの場合も同じような選択枝があり、
部分的なマセラシオンを行うことがあります(2006年は25日間)。
土着酵母による醗酵の進行も気ままで、マロラクティック醗酵は通常、
春に再開します。
ラシーヌの合田さんのコメントです。
*モリタ屋のレ・コステはラシーヌさんとエヴィーノさんから。
主にラシーヌさんから頂いておりますが、
沢山試飲させてもらっている為、エヴィーノさんからも!
どちらも素晴らしいインポーターです。
納品の際はインポーターは選べませんのでご了承ください。
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