★Illaheと書いて、イルヒーと読む。
ネイティブ・アメリカン(チヌーク族)の言語で、大地、場所、もしくは土壌。
サブリージョンはまだなく、ウィラメット・ヴァレーAVA中部、
エオラ=アミティ・ヒルズAVAのちょうど西側に位置するマウント・ピスガと
呼ばれるエリアで、地域の生産者たちとともに、AVAとして申請中だ。
畑は彼らの所有する南向きの80エーカー(約32ヘクタール)の斜面にある。
2001年に22エーカー分の畑にブドウを植え、
現在では60エーカー(約24ヘクタール)がブドウ畑となっている。
畑はワイナリーを取り囲むように、広がっていて、
丘を一つ越えたところにも所有しているが、どの畑も車で15分圏内。
ウィラメット・ヴァレーの他の地域と比べても、暖かく乾燥した地域で、
ブドウの生育も他の地域よりいくばくか早い。
オレゴンの特徴的な土壌である、ウィラケンジー土壌(海洋性堆積土壌)に
ジョリー土壌(火山性土壌)がところどころみられる。
LIVE-certified(オレゴン拠点の、第三者によるオーガニック栽培認証機関)と、
Salmon-Safe(清潔な河の保全には、あらゆる場所が重要である、
をモットーに環境に優しい産業を目指す認証機関)の認証を受けている。
うどんこ病と灰色カビに対しては硫黄粉剤を使用する。
しっかりと成熟し、かつ、バランスのとれたブドウを収穫することを目的として、
カヴァー・クロップ、グリーン・ハーベストなども適度に行う。
友人の飼っている馬で耕作をしている畑もあり、
ペルシュロンというキュヴェはその馬の名前に由来している。
プロジェクト1889というキュヴェでは、電気の力を排した醸造を行う。
その場合、ポンプは自転車のペダルを動力としたものに改造したポンプを使い、
収穫したブドウも馬がセラーまでは後部。
1889年というのはオレゴンでステンレスタンクなどの
新しい醸造設備が広く使われだした年であり、
オレゴンのワイン生産が工業化へと大きく舵を切った年である。
それ以前のワイン造りということで、このキュヴェを造ることを思いついた。
イルヒーでは、品質の高いワインを造るだけでなく、
石油への依存を極力減らしたワイン造りを目指している。
ソーラーパネルを導入し、”除草(放牧による)”や輸送の手段として、
2匹の馬(ドックとベア)を飼う。
近代技術(ドライアイス、窒素ガス、酵素、ステンレス、フォークリフト、培養酵母、
電動ポンプ、フィルターなど)の使用を排して造られた、
キュヴェ・プロジェクト1889は、ドックとベアが畑からセラーまでブドウを運び、
ボトル詰後も、馬車とカーゴバイク、カヌーで、
100Km離れた、ポートランドの街まで運ばれる。
ラシーヌさんの資料より