ヴィニュロンになる事を夢見ていたシルヴェンは高校を卒業後、
醸造学校で勉強し21歳になった時にピク・サン・ルーのクロ・マリーで
ナチュラルワインの魅力に憑りつかれます。
そこで3年間働いた後、奥様の出身地である南西地コート・ド・デュラスに居を移し、
生活と自 身の独立資金集めを目的に南隣の地域コート・デュ・マルマンデの
カーヴ・コーペラティヴ(生産者協同組合)に勤め醸造を担当しながら経験を重ねました。
そして遂にに独立のチャンスを得たのは2011年、
コート・ド・デュラスのネゴシアンからの出資を受け醸造所と畑を取得し、
「自分の造りたいものを造る!」と栽培から醸造まで1人で手掛けています。
現在はこの地の伝統的なブドウ品種メルローとソーヴィニヨンブランを1.5haづつ、
合計3haをビオロジック栽培しています。
ソーヴィニヨン・ブランの畑は、大西洋から東へ約100kmの西向きの斜面にあり、
大西洋からとピレネーからの地層がぶつかる土壌で、
粘土質の中に石灰岩がゴロゴロと転がっています。
他の畑よりも高い丘にある西向きの畑は、海からの風をまともに受けるので、
風通しが良く病気や害虫を防ぐことが出来る上にワインに冷涼感をもたらしてくれます。
メルローの畑は、より石灰岩が細かく粘土と混ざり合った粘土石灰土壌で南向きの畑です。
日当たりが良い為、ブドウ樹を頭位の高さまで伸ばしエネルギーを使わせながら
自然な影を作って過熟を防いでいます。
収穫後は、ブドウ毎のポテンシャルを見ながらの自然な醸造を心掛けます。
白は房ごとグラスファイバータンク内で12日間マセラシオンを
行った後にプレスし熟成に移ります。
赤はブドウの状態を見ながら区画ごとに醸されます。
樹齢が若く酸が乗りやすい畑のものはセミマセラシオンカルボニックを行い
フルーティに仕上げ、高標高の樹齢が古いものは除梗せずに
14ヶ月間古樽で熟成する伝統的な醸造方法を取ります。
赤白いづれもSO2は瓶詰時に極少量加えるだけで、醸造段階では一切使用しません。
どのワインを飲んでも角の取れた優しいアタックで、
果実の旨みがたっぷりと詰まっています。
「俺はオリジナルだからな!」とAOCや品種のイメージに影響を受けず、
自分の目指すワイン造りに邁進するシルヴァンです。
※ドメーヌ名の表記について
2012年からAOC法に縛られずに自由にワインを造りたいとVdFにしましたが、
その年にINAOから「AOCを取得していないドメーヌで、
区画名を示す Clos(クロ)という表記の使用禁止」の通達を受けました。
したがって2013VINよりClou(クロ・同じ発音)というドメーヌ名表記にしています。
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