赤は、平均で35ヘクトリットル前後という低収量のシラー、カベルネ、
そしてメルロ種を用い野生酵母による1ヶ月間以上におよぶ長期間の醗酵を経て、
良質なキュヴェはデュジャックで使用した樽で1年間の熟成。その後軽いフィルター掛けで瓶詰め。
それぞれのセパージュの最上のキュヴェを吟味してアサンブラージュされるのがサントーギュスト、
またブレンド比率も異なり、よりポピュラーなタイプに仕上がっているのがオーレリアン。
オーレリアン・ブランとなるシャルドネ種は30ヘクトリットル前後と
ブルゴーニュのグラン・ヴァン並みに収量を抑え、デュジャックの旧樽とイノックスでの醗酵。
その際バトナージュもしっかりおこない、10ヶ月ほどの樽熟成を経て瓶詰め。
逆にサント=フルールとなるヴィオニエ種には樽は一切かけず、その華やかな香りを閉じ込める。
ロゼは樹齢50年以上となるサンソーを主にシラー、メルロ種も用い、ヴァン・ド・グート(フリーラン・ジュース)に、
2,3時間とほんの短時間果皮を漬け込み、色素を抽出。樽は用いず、フレッシュに仕上げている。
ワインはデュジャックのエスプリが息づいているものの、吹き付けるミストラル、
石灰岩がむき出しになった荒地やそこに自生する人の背丈ほどもあるタイムやローズマリーの潅木類、
そしてオリーヴの林といったプロヴァンスの風土を十分に感じさせてくれる、
スパイシーな風味を備えたものに仕上がっている。
1989年のスタート以来早くも20年近い歳月が積み重なり、現在はジャック・セイスの息子ジェレミーが中心となり、
この地のテロワールの可能性を最大限に引き出すべく、挑戦を続けている。
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