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更新日は 2024年 11月 17日 です。
2024年11月 | ||||||
★ヴァルテル・デ・バッテ(プリマ・テッラ)
●ヴィノ・ビアンコ 2015
*Vino Bianco 2015 / Walter de Batte Prima Terra
*ある意味、個人的にお気に入りはこのキュヴェ!
ヴァルテル・デ・バッテにしては遊びがあって
少し楽しい味わいですから。
塩味と酸のバランスが何とも軽快で心地良い、
そして心地良いタンニンが顔を出します。
しなやかな液体の旨味と共に
キラキラとした明るさと
心地良い佇まいのあるビアンコです。
ヴァルテル・デ・バッテ!流石にやりますね〜!
1/16/2023試飲
新津くんのコメント
今回実験的に造られた白が届きました。
昨年カンティーナで飲ませてもらい、
衝撃を受けたワインだったのですが。
事の発端は、知り合いの所有する
樹齢の高いヴェルメンティーノの畑。
2013年より栽培・醸造を
頼まれていたヴァルテル。
畑の自然環境を整え、収穫量を抑えた
ヴァルテル流の栽培によって、
非常に凝縮したヴェルメンティーノ。
結局2015年まで3度の
収穫・醸造を行ったものの、
当の持ち主が途中で畑を売却してしまったため、
2015年はボトル詰めを行わない事態に。
そこでヴァルテル、2015年のブドウを買い取り、
混植していたサンジョヴェーゼも直接プレスし、
ヴェルメンティーノと共に醸造。
そして、カンティーナに残っていた
2020年までのアルモジェ、
アルトローヴェ、サラデーロのオリ
(オリ引きの際に取り除いた部分)
を加えてタンクの中で60ヶ月の熟成。
瓶内で12ヶ月の熟成を行ったという、
なんともややこしいワインが
出来上がりました。
「チンクエ テッレのエリアにある
ヴェルメンティーノとサンジョヴェーゼ、
黒ブドウを白ワインとして醸造することで、
黒ブドウ由来の鋭くも繊細なタンニンを持つ。
さらには毎年元気なオリを足し続ける事で、
酸化を恐れずにフレッシュな
状態を維持しながら熟成を続けられた」、
そう話す彼。
根本的に畑も少なく、収穫量も抑え
高品質なブドウを収穫する一方、
オリでさえも無駄には
できない厳しい現実があります。
それでも諦めず、
その中でいかに良いものを生み出すか。
常に追求を続けるヴァルテル デ バッテ、
飾りっ気のない白いエチケットに
「Vino Bianco」という、
シンプル過ぎる名前には
彼の正直さが垣間見えます。
ヴェルメンティーノのアロマは、
チンクエ テッレを感じる
強いミネラルに締め付けられ、
個性的で軽快なタンニン。
そこに強い旨味と塩分を感じます。
乾いた酸、香りはあるが
決して華やかさだけではない硬質さ。
想像しがたい難解な醸造方法とは対照的に、
美しくエレガント。
実験的なワインではありますが、
アルモジェやサラデーロとは全く異なる魅力、
ぜひ試していただきたいワインです。
容量:750ml
生産年:2015年
生産国:イタリア・リグーリア
生産者:ヴァルテル・デ・バッテ(プリマ・テッラ)
葡萄品種:ヴェルメンティーノ、サンジョヴェーゼ
2024年11月 | ||||||
★ ヴァルテル・デ・バッテ(プリマ・テッラ)
WALTER de BATTE (PRIMA TERRA)
★リグーリア東部、ラ・スペツィア近郊。
チンクエ テッレと呼ばれる西端の
モンテロッソからリオマッジョーレまで、
地中海に面した5つの町。
ワイン造りの歴史は古く、
1100年代にはブドウ栽培・ワイン醸造の記述も残る、
歴史ある土地。平地がなく、
土地も痩せているチンクエ・テッレ。
人々は急斜面の固い岩盤を砕いて石垣を築き、
岩盤を砕いた際に出た砂を土壌として
ブドウ畑を作るという非常に過酷な環境。
それでも、潮風とミネラル豊富な土壌から
生まれる個性的なブドウ、
そしてワインは中世の時代より価値を見出され、
希少なワインとして評価されてきました。
ただでさえ貴重なワインである
チンクエ テッレの造り手の中でも、
徹底したこだわりを持つ造り手、
ヴァルテル・デ・バッテ。
貧しい土地、栽培の過酷さ、
決して多くの収穫を見込めない
チンクエ テッレの畑。
ワインを造るだけでも貴重といわれる環境の中、
薬品類や肥料に頼るのではなく、
自然環境を尊重し、土地、
ブドウ樹の自然バランスを
尊重したブドウ栽培を行っている。
ブドウであるにもかかわらず、
そこからさらに収穫量を抑え、果実の凝縮、
完熟したブドウから表現されるチンクエテッレの個性。
僅か0.7haの畑から収穫、ワインとして
出来上がるのはたった1500L~2000L、
本数にすると僅か2000~3000本あまりの
少なさに絶句してしまいます、、。
いかに過酷な環境であろうと、一切妥協のない
栽培・醸造哲学により生み出される
彼のチンクエ・テッレ。
90年代末には周囲の生産者を圧倒しており、
当時の時点で唯一無二の
チンクエ・テッレとして評価されていた。
それにも関わらず、2007年を最後に
DOCから離脱する道を選びます。
リオマッジョーレで生まれ育ったヴァルテル。
チンクエ テッレという土地、
歴史を深く愛していたからこそ、
伝統よりも効率、希少性のみを売りにする
DOCへの失望感を感じ続けてきた彼、
「チンクエ・テッレの骨組みともいえるブドウボスコ。
分厚い果皮を生かすためにも果皮と共に醗酵させる。
完熟したボスコは果皮が赤くなってゆく、
だからワインの色が濃くなることは当然なこと。
無色透明なワインでなければ
チンクエ・テッレとは呼べないなどと、
近年のDOCが言い始めた時、
自分からDOCを辞めようと思ったんだ。
自分が造りたい、表現したいのは土地
(テロワール)としてのチンクエ・テッレ、
名前や肩書に左右されるものじゃない」。
これまでの栄誉や肩書きをすべて捨て、
リオマッジョーレにある0.7haの畑と別に、
これから先の可能性を追求するべく、
「Primaterra」として新たに2haの畑、
カンティーナを立ち上げ、
ゼロからのスタートを切ったヴァルテル。
これまで自分で見てきた
チンクエ・テッレという土地の個性、
「それはもっと広い視野で見た歴史・気候環境をも
感じ取れるものなのではないか?
それこそ、リグーリアから
地中海沿岸に沿って隣接するニース
(1800年代までイタリア領であったこともあり、
リグーリアには大きなつながりがあると
考えているヴァルテル)を中心に
プロヴァンス、そして地中海を越えた
先にあるサルデーニャ
(グルナッシュというブドウを追ってゆくと、
リグーリアのグラナッチャ、
スペインのガルナッチャ、
トスカーナのアリカンテ、
最後はサルデーニャのカンノナウに
たどり着くという、、)をも含めた
「mediterraneo=地中海」という個性を
表現できるのではないか?
彼の目には「国境や州を越えても、
全く異なる土地と見るのではなく、
様々な違いはあれど、ある種の一体感や
通じ合う部分を持つ、
それこそが地中海を中心にした
文化的な個性なのではないか?
今まではDOCという枠でしか
ワインを見ることができなかった、
だけどそこから離れることで、
より広い視野でワインと向き合うことができる、
そう話す彼。
一つのワインから、土地を表現する。
それだけではなくもっと幅広い世界観を
表現しようというヴァルテル・デ・バッテ。
これまで以上の独自性を感じつつも、
それを十分に感じさせる味わい、
凄まじいポテンシャルを秘めたワインです。
過酷な環境、限られた土地。
チンクエ・テッレという名前だけで
希少かつ高価といわれる現実に逆らい、
VdTとして徹底した栽培・醸造、
ブドウへのこだわりによって生み出される
ヴァルテル・デ・バッテのワインは、
単なる希少価値ではなく、
それに見合うだけの味わいと表現力を持った
ワインだと思っています。
チンクエテッレという枠を超え、
考え抜かれた土地の表現。
リリースされるワインの少なさは
常軌を逸しているレベルですが、、。
リグーリア、チンクエ テッレを代表する
「唯一無二の造り手」といっても
過言ではないでしょう。
エヴィーノさんの資料より
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