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更新日は 2024年 10月 24日 です。
2024年10月 | ||||||
★カーステン・ザールヴェヒター
●リースリング・カルクシュタイン 2020
*SOS 2020 / Konni&Evi
*粘度のあるゆったりとした厚みの液体は
とっても舌触りがよく、
エレガントに口の中で膨らんでいきます。
洋梨やライチにリースリング独特のぺトロール香を
感じながら心地良い舌触りを堪能します。
余韻にグレープフルーツの様な心地良い苦味を
ほんのりと感じながら酸の効いた長い残像を楽しめます。
9/1/2022試飲
生産年:2020年
生産国:ドイツ・ザーレ・ウンシュトルート
生産者:カーステン・ザールヴェヒター
葡萄品種:リースリング
2024年10月 | ||||||
★ カーステン・ザールヴェヒター
CARSTEN SAALWÄCHTER
★多くを語ろうとしないカーステンからは老練な雰囲気すら感じられる。
他者の色々な意見を聞き、自分のワイン造りに生かせることは
取り入れようという柔軟な姿勢の奥に、
常に辿り着きたい境地を意識しているような強靭な軸がある。
ましてや、ドイツの新星としてあらゆる雑誌に
取り上げられていることを喜んでいるような余裕は一切見えない。
彼は、赤ワインの生産で有名なインゲルハイム・アム・ラインで
1872年から続くワイナリーの6代目当主となり、
インゲルハイム周辺に北、東、西向きの畑を所有している。
昔はエクスレ度数重視のワイン造りが一般的だったため、
南向きの斜面を所有していなかったザールヴェヒターは
度々周囲から憐憫の眼差しを送られたという。
暑さが嘆かれる昨今、その「向き」が翻って
カーステンの背中を押す風になっている。
黒板に向かって理論を学ぶより現場で経験を積むべきだと考えを変え、
入学はせず、ドイツではツィアアイゼン、シュナイトマン、
ベネディクトバルデス、フリードリッヒ・ベッカー、
ジャン・シュトッデン、シャ・ソヴァージュ、フランスでは、
クロ・デ・ランブレイ、ジョン・シャルトロンなど
多くのワイナリーで働く。
当時18歳だった彼が醸造学校には行かないという
大きな決断をすることができたのも、
彼がどういうワイン造りをしていきたいかということに関して
明確なビジョンを持っていたからだと言える。
父親が営むワイナリーに帰り、
自分のワインを造り始めるまで約10年の歳月を要した。
それほどカーステンには色々と経験を積んだ上で、
自分の力量を試してみたかったという想いがあった。
そして最初の2017年ビンテージで
一躍入手困難な生産者の一人として数えられるようになった。
インゲルハイムに帰った彼は、
土地に忠実なワインを造ることを決めた。
インゲルハイム一帯には石灰岩土壌が広がり、
まだ耕地整理されていない土地が多く残っている。
そのためこの地一帯には未だに多くの古樹が植っている。
彼に言わせれば、耕地整理されている土地で
テロワールという言葉を使うことはできない。
「耕地整理された土地では古樹などがまるごと抜かれ、
また異なる向きの区画なども全てひとまとめにされてしまう。
場合によっては表土を足したりする。
その表土に健康な微生物は宿っていない。
そんな土壌でワインを造っても何も楽しくないだろう。
まだ耕地整理されていない土地でワイン造りができるのは
自分にとってとても重要だよ。」
土地の味わいを強く意識する彼は、シルヴァーナーを重視する。
リースリングが広く植樹される以前、
この地域では広くシルヴァーナーが栽培されており、
今でも多くの古樹が植っている。
フランス系の品種にフォーカスを当てる一方で、
今後はシルヴァーナーにより焦点を当てたいと考えている。
2017年には、ドイツ赤ワインの歴史上
最も有名な畑の一つであるアスマンスハウゼンの
ホレンベルグに区画を購入する。
アスマンスハウゼンはスレート土壌、
インゲルハイムは石灰岩土壌であり、
この2つの全く異なるタイプの土壌でシュペートブルグンダーを
醸造することがカーステンの夢だったという。
カーステンは、熟成を経てのみ表現が可能な味わいを
常に意識しながらも、早い段階で楽しめる柔らかさを
ワインに持たせようとしている。
カーステンの醸造における特徴は、
SO2を極力使わずにワインが長期の熟成に耐えうる
フェノールをしっかり抽出することと、
ワインの発酵期間が非常に長いことだ。
彼によれば、発酵がゆっくりと進むことで
複雑かつ緻密な味わいが出てくる。
彼のワインの多くは若いうちはフェノール由来の成分を
感じることができるが、熟成を楽しみにしている彼の
ビジョンがはっきりと伝わってくる。
クライン・アバ・ワインさんの資料より
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