以前から海外で働きたいと思っていた彼は、
専門学校を卒業後1年の徴兵を経て、1995年新天地ニューヨークへと旅立ちます。
ニューヨークでは、ブルックリンにあるレストラン「The Bounty」で3年働き、
1998年マンハッタンにあるビストロ「Balthazar」で
5年間ホールマネージャーとして働きました。
この頃、ブルックリンで「360」というビストロを経営していた友人から
自然派ワインを紹介され、次第にヴァンナチュールの世界に
はまりこんでいきます。
2004年、満を持して、ニューヨークで最初に自然派ワインだけを
リストにそろえたレストラン「ICI」を立ち上げる。
ビオのローカルな食材と自然派ワインにこだわったレストランは
瞬く間に反響を得る一方で、家庭との両立が次第にうまく行かなくなり、
2008年妻にレストラン経営を譲り、ニューヨークを後にします。
フランスに戻ってからは、ティエリ・ピュズラを介して
ビストロ 「L’Herbe Rouge」で2週間ほど働き、
その間にノエラ・モロンタンと出会う。
その後はノ エラ・モランタンとクロロッシュ・ブランシュの両方を手伝いながら、
ゼロから畑とワイン造りを学び、2012年、ノエラから買ったブドウで
仕込んだ自身初のオリジナルワインをリリースします。
翌年の2013年、ノエラの畑2haを譲り受け自らのドメーヌを立ち上げます。
そして、2015年クロロッシュの引退後の畑の半分4.5haの管理を引き受け
現在に至ります。
生産者
現在、ローラン・サイヤールは6.5haの畑を1人で管理。
彼の所有するブドウの品種は、ソービニヨン・ブラン、ガメイ、
ピノ・ドニスの3種類で、樹齢は30~60年。
ブドウの栽培はクロロッシュから学び、
さらに独自にビオディナミも取り入れています。
また、醸造はノエラから学び、
彼女同様に教科書にとらわれない「フィーリング」を大切にしています。
出来上がるワインを想像しながら、マセラシオンの方法、期間、醗酵、
スーティラージュ、熟成方法等、全てテイスティングを通して臨機応変に対応。
彼のモットーは「感性を生かしたシンプルで美しい仕事」。
性格的に投げやりなことが嫌いというローランは、
一度仕事を始めると最後まで黙々と丁寧に作業をこなしていく。
彼の仕事の姿勢は他のヴィニュロン達の間でも定評があり、
ワイン生産者としては新人ながら、
多くのヴィニュロンから絶大な信頼を得ています。
仕事以外の趣味はキノコ狩りと料理。
季節の素材にこだわったシンプルな料理を得意とし、
今はただ料理することだけでは飽き足らず、
趣味が高じて、小規模ながら自分で野菜や果物、養蜂、鶏、豚などを育てながら
半分自給自足のような生活を行っている。
また、彼はアメリカに住む二児の父親で、
趣味以外では、数ヶ月に一度ニューヨークで、
愛する息子たちと一緒に過ごすことを何よりの喜びとしています。
ヴァンクールさんの資料より。
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