懸案だった問題も解決し、マルク ペノ氏は、よりいっそうの情熱をもって
ブドウの栽培やワイン造りにあたっています。
現在ドメーヌでは15ha以上の畑を管理しており、
その栽培と醸造をマルク・ペノ氏が担っています。
12月から4月までの期間にほぼ休みなく続く剪定作業などその作業は膨大ですが、
ワイン造りにかける意欲は損なわれることはなく、
品質向上のための改善を日々積み重ねています。
収穫の際には全て手摘みによって行い、
痛んだ果実を排除して腐敗果の混入を防ぎます。
この地域では考えられない程、収穫量は低く抑えられており、
結果として他には見られないような果実味が溢れたムロン・ド・ブルゴーニュや
グロ・プランとなります。
「収穫量を抑える」と一口に言ってもムロン・ド・ブルゴーニュや
グロ・プランという品種では非常に深刻な問題に直面します。
それは、この種のワインは安価なものがほとんどで、
量を減らして美味しいワインを造るよりも生産量を増やして
販売量を増やしたほうが経済的には有利であるということです。
つまり収穫量を2/3や1/2まで減らしてもムロン・ド・ブルゴーニュや
グロ・プランといったワインを通常の2倍、3倍の価格で
販売する事は難しいということです。
それでもなお品質追求をするマルク ペノ、まさに情熱のなせる業です。
醸造に関しても、マルク ペノならではのアイデアで
彼独自のワインを生み出しています。
そのひとつが、香りの弱いムロン・ド・ブルゴーニュやフォル・ブランシュを
12時間かけてじっくりプレスすることによって果汁と果皮の
接触時間をとり、香りや旨味を引き出す手法を採用しています。
いわゆるマセラシオン(醸し)と同様のアプローチで、
もともとは赤ワインの醸造におけるマセラシオン・カルボニック法と
同様のもので、ボジョレーのマルセル・ラピエールの
考えから着想を得たと言います。
また「ニュイタージュ」と名付けられたワインでは、
12時間のプレスの前に15時間ほどマセラシオンを行い爽快ながらも
より深みのある風味を引き出す手法も採用しています。
この「Nuitage = ニュイタージュ」は、フランス語で「夜」を意味する
「Nuits = ニュイ」に発酵させることにかけています。
発酵中は酵母が生み出す二酸化炭素の働きによって酸化を防ぎ、
酸化防止剤となる亜硫酸の添加は、瓶詰めの際に極少量にとどめています。
またペノ氏はコルクの品質にも細心の注意を払い、
複数の生産者と共同でコルクを購入し、
そのコルクをロットごとに化学的な検査に出しています。
その検査結果をみてブショネのリスクが少ないもののみを使用しています。
野村ユニソンさんお資料より
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