クロ・ルジャールはおよそ10haの畑を所有しており、
その多くは南向きの日照に恵まれた丘陵地に広がっています。
この広さは「丹念に作業をする限界の広さ」だと言い、
除草剤や化学肥料などを用いずビオロジックの
アプローチを採用して栽培されています。
しかしながら彼らにとってこの栽培方法は目新しいものではなく、
また流行に踊らされて採用したというわけでもありません。
その根本には数百年というワイン造りの歴史と伝統があり、
これらの経験から行き着いたのが自然と対話し、
それを尊重する栽培方法だったのです。
彼らにとっては「当たり前」の事を脈々と継承してきただけという自負があり、
彼らのスタイルを称して「自然派」と呼ぶのは相応しいものでなく、
むしろ本来の意味での「クラシック=古典派」と
呼ぶべき稀有なスタイルだと言えます。
実際の栽培においては極限まで収穫量を抑えることが重要であるとし、
平均収量30~40hl/haほどという一般的なこの地域の収穫量(約60hl/ha)を
大幅に下回る水準を実践しています。
またその収量の制限に関しても、成長途上の果房を夏季に取り除く手法ではなく、
よりリスクの高い冬の剪定や春の芽かきによって
行うという哲学を実践しています。
収穫は手摘みによって行い、非常に厳しい
選果を経た上で、醸造されます。
収穫の際にすでに選果されたブドウは全て除梗され、
選果台においてさらに厳しい選果を行います。
上質の房・果粒のみを用いることによって、
青っぽさを感じさせることの無いカベルネ・フランの純粋な魅力が得られます。
醗酵は主にステンレスタンク及びセメント槽にて行われ、
プレスワインを一切加えずにブドウに付着している
自然酵母の力によってのみ醗酵させます。
マセラシオン(醸し)は30~40日と長期に及び、果皮と種子から良質で
バランスのよい旨み成分を慎重に抽出します。
補糖・補酸といった人為的な調整は行わず、
新樽およびシャトー ラトゥールをはじめとした
ボルドーの著名シャトー使用の上質な1年使用樽などで、
2年から3年という長期間熟成されます。その熟成に使われるセラーは、
圧巻の地下洞窟。完璧な温度と湿度でワインを育ててくれます。
樹齢の高い恵まれた樹から収穫量を抑えたブドウで造るワインは、
極めて表情が豊かです。
既存のカベルネ フランの概念を打ち砕くような
エレガントさや華やかさを秘めながら、
長期の熟成に向いた強固な骨格もあります。
クロ・ルジャールのワインは、古典的で優雅なまさに「長期熟成ワイン」で、
この「古き良きフランスワイン」を愛するファンが多いのもうなずけます。
クロ・ルジャールのもうひとつの魅力は、その絶対的な安定感にあります。
いわゆるオフ ヴィンテージとであっても、その品質は揺るぐことなく、
例えば2003年といった酷暑のヴィンテージであっても、
味わいがぼける事もアルコール感が高すぎて
焼けたニュアンスを感じる事も皆無です。
この他を寄せ付けない安定感と品質の高さは、
クロ・ルジャールだけが到達できるひとつの極みと言えるでしょう。
インポーターの野村ユニソンさんの資料より
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