インポーターがラシーヌさんに移ってからの合田さんのコメントです。
2009年8月
★ジャン=ルイ・ヴェルニョンのワインは、
2~3年前に日本に入ったことがあるので、
ご存知の方も多いことでしょう。
が、2002年から生産方針が一変したジャン=ルイ・ヴェルニョンは、
まさに発展途上にある輝ける星であるといっても、
過言ではありません。新しいセラー・マスターの登場によって、
造り方が根本的に変わったのですが、
本格的にその真価が表れてきたのは、
昨年秋のリリースのものからです。
シャンパーニュへは、年に何度も私は通っていますが、
さらなるクオリティを追及し、
前進する造り手が次々と登場するのですから、
まったく目が離せません。
じつは、5月のお便りで、次のような予告編を書きました。
「世界的不況で、シャンパーニュのマーケットは冷えこんでいますが、
シャンパーニュ地方には輝く未来が
すぐそこにきているように思います。
真の天才アンセルム・セロスに啓発され、
見事なシャンパーニュを造り出す
志の高い造り手のネットワークの輪が、
水面の輪のように広がっているのです。
モンターニュ・ド・ランス、ヴァレド・マルヌ、
コート・ド・ブラン、アヴィーズ、
メニル・シェール・オジェの各村では、
格付けに関係なく、それぞれのクリュの味わいが、
優れた表現者を得て、至純な味わいが現れています。
『テロワール』という言葉が、今ほど真実味を帯びて
シャンパーニュの味わいに出ていることは、
これまでなかったのではないでしょうか。
個性を備え、限りないクオリティを
実現しようとする姿には心打たれます。
伝統とアペラシオンとしての最高のプレステージに
君臨するシャンパーニュ地方にあって、
(容易に売れることに安住せず)
それも、若い次世代だけでなく、
年齢の高い造り手たちの間にも、強い意志を感じます。
造り手どおしが互いに研鑽しあう地平の広がりが、
この大きな流れを動かしているのでしょう。」
この春の訪問の際、
「RMファンの合田さんに素敵な作り手を紹介しよう」と、
仲のいいジャーナリストから紹介していただいたのが、
クリストフ・コンスタン。
翌日デゴルジュマンの合間の時間をあけていただいて、
訪問しました。
ワインには、調和のとれたまとまり、ドザージュの低さ、
アフター・テイストにくっきり残る澄んだ味わいと、
これからますます発展する将来性が、
すぐさま感じ取れました。
そして、なによりもオーナーのヴェルニョン夫妻から
深い信頼を得て、活き活きとして働くクリストフの姿に、
魅了されました。
1950年創立のジャン=ルイ・ヴェルニョンは、
1985年からビン詰めを始めました。
2002年にクリストフ・コンスタンが醸造責任者になって、
栽培・醸造のすべてが根本的に改められ、
年を追うごとに目覚しい向上をしてきています。
クリストフ・コンスタンもまた、
アンセルム・セロスから大きな影響を受けた一人です。
特に、メニル村はアンセルムが住むアヴィーズと
同じコート・デ・ブラン地域にありますから、
収穫期が近づくと頻繁にアンセルムと
情報交換をしているそうです。
「ル・メニルでは、マロラクティック醗酵をしないで仕上げるには、
10~11グラムのドザージュが大前提になっている。
もし、ドザージュしないで仕上げようとするなら、
マロラクティック醗酵をしなければバランスがとれない」と
一般に言われています。
けれども、「ブドウを完熟させて収穫すれば、
マロラクティック醗酵は必要ない」というのが、
アンセルムとクリストフの意見なのです。
ル・メニルの真髄を表現する正統派シャンパーニュの登場です。
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