ガスパール・ブロシェは、サヴァールや
ニコラ・マイヤールと同じプティット・モンターニュの
エキュイに本拠を置くレコルタンです。
ガスパールは、高校卒業後グラフィックと
インフォグラフィックの勉強をしていました。
しかし、20歳の夏に実家で
父の仕事を手伝っている時に
ワイン造りへの情熱が生まれ、
アヴィーズの醸造学校で4年間醸造と
栽培について学びました。
その後、オーヴェルニュのパトリック・ブージュ
(ドメーヌ・ラ・ボエム)で働き、
そこでナチュラルワインに目覚め、
自分でも造りたいと思うようになったのです。
しかし、ドメーヌは1721年から続く栽培農家。
ガスパ-ルの祖父の代から元詰めを始め、
ガスパールは13代目でした。
2016年に父からドメーヌを継承しましたが、
父名義の“ヴァンサン・ブロシェ”の
シャンパーニュには、
既に今までの顧客が数多くいたため、
醸造や造りを自分の思い通りに
変えることはできませんでした。
そこで、父名義とは別に、
2017ヴィンテージから自身の名義となるブランド
“ガスパール・ブロシェ”を⽴ち上げ、
自由でナチュラルな醸造によるシャンパーニュと
ワインを造り始めたのです。
ガスパールは新世代らしく
ナチュラルワインしか飲まないそうで、
ドメーヌを訪問した際にも醸造所には大好きだと語る
ルーシー・マルゴーのボトルが飾られていました。
グラフィックを学んだ経験から
自身でエチケットも手掛け、
初ヴィンテージながら既にイタリア、
スイス、デンマーク、オーストリア、ロシアなどに
輸出され始めています。
ドメーヌはエキュイユをメインに、
隣村のサシーとヴィレール・オー・ヌーに
合計3.3ha、14区画の畑を所有しています。
栽培品種はピノ・ノワール80%、シャルドネ15%、
ピノ・ムニエ5%です。
エキュイユの村の土壌は、斜面上部の畑は粘土土壌、
中腹の畑は粘土⽯灰で⽩亜の⺟岩。
斜面下部の畑は砂の土壌になっています。
隣村のヴィレール・オー・ヌーに本拠を置く
エマニュエル・ブロシェとは、
お互いの祖父同士が従兄弟だったことから
遠い親戚にあたります。
このため、エマニュエル・ブロシェや
フレデリック・サヴァールが区画を所有する
ヴィレール・オー・ヌーの著名な
リュー・ディ“ル・モン・ブノワ”にも
区画を所有しています。
ドメーヌの畑はビオロジックで栽培され、
オート・ヴァルー・アンヴィロンヌモンタルの
レベル3の最も高い認証を受けています。
除草剤や殺虫剤、化学肥料は⼀切使われていません。
畑は1畝毎に耕耘。5⽉〜7⽉末の生育期に4回。
収穫後に1回耕耘されます。
耕耘しない畝は自然に下草を生やし、
1年に2回刈り込みます。
土を活性化するために、
キノコのコンポストと刈り取った下草、
そして冬に砕いたブドウの枝を畑に撒いています。
剪定方法はピノ・ノワールとムニエがコルドン式。
シャルドネがシャブリ式。芽かきは2回⾏いますが、
ブドウ木の光合成を促進するために、
ロニャージュ(摘芯)は新梢が
ギリギリまで伸びてから⾏います。
グリーン・バーヴェストは樹齢50年以上の
区画でのみ実施。
除葉は状況に応じて収穫前に⾏います。
VIVITさんの資料より
折りたたむ