1969年に、ジャック・ボーフォール氏は、
農薬によって強度のアレルギーに陥りました。
一命をとりとめた彼は、1971年から一切の化学農薬や除草剤、
殺虫剤も使用せずにシャンパーニュを作り続けています。
有機栽培で認められている硫黄さえ使わず、
年によってはボルドー液も使用しません。
また、害虫駆除に良く使用されるコンフュージョン・セクシュエルも使いません。
その代わりにアロマテラピー用のオイルやホメオパシーを好んで使っています。
使用する肥料も、野菜や動物の糞を使った肥料だけです。
2001年からは、除草剤や殺虫剤を使用している近隣の畑からも一定の距離をとって、
影響を避ける ようにしています。 畑は、PolisyとAmbonnayに合計7ha。
4分の3以上はピノ・ノワール、残りはシャルドネです。
合計で年間約30,000本というシャンパーニュとしては
非常に小規模な生産者です。
特徴的なことに、その内の10%は半甘口です。
最初に辛口でリリースしたヴィテージ付きシャンパーニュは熟成を経た後、
半甘口や貴重な甘口としてリリースします。
9人の子供の父であるJacques Beaufort氏は、
2007年に“法律的には”定年を迎えました。
フランスの相続の問題から、
定年前にSAINT JEAN BAPTISTEというネゴシアンをつくりました。
そのため表記はRM(レコルタン・マニュピュラン)から
NM(ネゴシアン・マニュピュラン)に代わっていますが、
自社の7haの畑からの葡萄のみで生産を続けています。
現在は、息子のReol氏が代表となっています。
醸造
葡萄をプレス後、12時間かけて果汁を澄まします。
出来る時は、2度、澄ましを行います。
自然酵母のみでアルコール醗酵、冬に澱引きし、
春にマロラクティック醗酵が起こります。
2006年ヴィンテージより、SO2を醸造中は使用せず、
デコージュモンの際にほんの少し使用するにとどめています。
現在、全くSO2を使わない醸造を実験中です。補酸は行いません。
精製されていないサトウキビの砂糖か
葡萄の濃縮果汁を用いて(場合によっては自然醗酵)、瓶内2次醗酵を行います。
熟成中に行われるルミュアージュは現在も手作業です。
数年の熟成後にデコージュモン、
そして有機農法の葡萄の濃縮果汁をドサージュ用に用いて、
辛口(ドサージュ:9g/L)、半甘口(45g/l)、
もしくは甘口(60g/L)のワインとしています。
基本的に、全てのキュヴェはピノ・ノワール80%、シャルドネ20%です。
『葡萄のワインなのだから葡萄で甘みをつけるのは当然だ』という彼は
96年以降は彼の息子が造る有機栽培のムーを使用しています。
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