★ラシーヌの合田さんのコメントです。
サントリーニ島の土壌は、自然の火山質土壌そのもの。
―赤みがかった暗い石、小石や白い軽石のかけら、
ポーツォランの土―で、農業環境に恵まれたいくばくかの小島を除けば、
ブドウ栽培のほかには農業の可能性はほとんどない。
にもかかわらず、ブドウ畑はどこも小さく分散した区画しかない。
ブドウ栽培が最も盛んな地域、
とりわけ島の南に位置するピルゴスとメガロチョリの周りや
北部にあるオイア島でさえ、畑は細かく分かれ点在している。
ピルゴスとメガロチョリが、優れたテロワールであることは確かだろう。
この村に、ここ10年間でギリシャで最も情熱的な作り手の一人と
評価されるようになったハリディモス・ハツィダキスの畑と
セラー(火山性凝灰岩の空洞で、ピルゴスの上にある)と醸造所がある。
大部分の畑は借地だが、アシルティコの樹の多くは樹齢が高く、
樹齢100年を超えるものもあり、フラン・ド・ピエであり
(フィロキセラは、決してサントリーニ島には侵入しなかった)そして、
ブドウの樹は挿し穂により植え替えられている。
また、ブドウの実を日光や強風から守るため、
1haあたり2000~2500本以内に密植し、
アンブリアの伝統的手法で、剪定されている。
アンブリア仕立てのアシルティコ
いくつかのテロワールは、きわめて優れていることが
アシルティコ酒によって現れている。
ミロス(“ル・ムーラン”)という畑は、メガロチョリのすぐ近く、
ピルゴスのふもとにある。
やわらかい岩を空洞にしたハリディモス・ハツィダキスのカーヴから程近く、
ここにはたくさんのキュヴェが熟成されていて、
時に《実験的》で、全てが本当に刺激的だ。
エピスコピ・ゴニアにある、ドメーヌ・アルギロスを急ぎ足で訪ね、
1988年や1974年のなどの・・・、
いくつかの素晴らしくリッチなヴィンサント
(アシルティコ80%、アイダニ10%、
アシリ10%)のキュヴェを味わった。
サントリーニ島の北部、オイア島の近く、
フォイニキア村のふもとで海のすぐ近くに、
パリ・シガラの畑はバクセデスと呼ばれる地に広がる。
土壌は火山質で、アンブリアで仕立てられている。
しかし、若い樹については、パリサージュ(鉄線に固定)と
ギュイヨで仕立てる方法を選んでいる。
そうすることで1ヘクタールあたり6500本におよぶ密植が可能で、
より規則的で、凝縮度(1本の樹から1kgの果実を収穫)が得られる。
我々のハツィダキスの訪問は、パリでの集まりの
(cf.R&B n’79)後に確認されるだろう。
このときハツィダキスの数々のワインを味わって素晴らしい感動が残った。
それらは、まさにサントリーニ島で最上の美しさの一つである。
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