シモーネ・アンブロジーニは、高校卒業後世界の果てまで旅をしたいと思い、
丸1年をかけてオーストラリアとニュージーランドにまで旅に出ました。
旅の間は単純な労働者として農業に従事していました。
シモーネは、旅の終わり、
ニュージーランドの家族経営のワイナリーで働いたある日、
今でも彼自身説明できない感情に襲われ、
ワイン造りを自分の人生の道とすることを決めたのです。
イタリアに戻ったシモ-ネはトレント大学とウディネ大学で醸造学と
ブドウ栽培を学びました。
その後トレンティーノやアゼルバイジャン、モンタルチーノ、ブルゴーニュ、
ヴェネトなどの様々なワイナリーで研鑽を積みました。
そして、26歳の時に自分自身でワインを造ろうと決断したのです。
しかし、ブドウ畑もセラーもトラクターも何もなく、
彼に言わせると「完璧なスタートでした」。
そこで、彼は畑とセラーをレンタルしてもらえないか、
周辺の色々な生産者を訪ねて回ったのです。
程なく、生まれ故郷であるヴィチェンツァ近郊のコッリ・ベーリチ地区
アルクニャーノの村のフィモン湖を⾒下ろす2.7haの古木のブドウ畑を
借りることができたのです。
こうして、2018年から、「インドミティ」のプロジェクトがスタートしました。
アンブロジーニは当初からテクノロジーや化学を排した可能な限り
アーティザナル(職人的)な方法でブドウを栽培したいと考えていました。
彼の家族は全く別な仕事に就いていることもあって、
彼は⻑靴と剪定バサミとミニトラックを改造したトラクターだけで、
たった一人でブドウ栽培を始めました。
畑はビオディナミの手法を取り入れたビオロジックで栽培されています。
除草剤や農薬は一切使われず、堆肥やコンポストなども用いません。
畑には雑草や花、下草などを生やして生物多様性を維持しています。
急こう配で石の多い畑であるため、今のところ耕耘はしていません。
剪定や収穫、瓶詰めなどの栽培と醸造における一つ一つのプロセスは、
ビオディナミカレンダーに則って、
天体と月の位置を考慮した最適の日に⾏っています。
摘芯やグリーン・ハーヴェスト、除葉などは、品種や区画、
あるいはその年の天候や状況に応じて実施しています。
しかし、当初は醸造所もありませんでした。そ
こでシモーネは何人かの造り手を訪ねて、
収穫の数週間だけでもセラーに居候させてワインを醸造させてくれないかと
訪ね回ったのです。
間借りできるセラーが⾒つかったのは2018年の収穫の僅か数週間前でした。
初ヴィンテージとなった2018年物は全てのワインが星空の下で熟成されました。
というのも、スペース上の理由から、
熟成タンクは屋外でキャンプのような状態で、
太陽と雨、風、雪に身を委ねて熟成されたのです。
まさにインドミティ(不屈)のワインです。
インドミティの畑はヴィチェンツァから南へ⾞で
30分の距離にあるコッリ・ベーリチ地区にあります。
畑の表土は石の多い赤色粘土で、基盤岩は石灰岩。
平均樹齢は40年。
ガルガネーガ、ソーヴィニョン・ブラン、ピノ・ビアンコ、
タイ・ロッソなどを栽培しています。
ここはヴェネト州の山岳地帯で美しい風景が広がっています。
この地区には、同じナチュラルワインの造り手として
ダニエーレ・ポルティナーリや
サウロ・マウレ(イル・カヴァッリーノ)などがいます。
インポーターのVIVITさんの資料より
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