★ジョルディ・ロレンス(スペイン語発音だとヨレンス)は、
この土地で代々続く農家に生まれました。
ジョルディの家族は1779年からブドウだけでなくアーモンドや
オリーブなどの作物を作ってきた複合農家。
ジョルディ自身はサスティナブル農業に長年熱心に取り組んでおり、
現在はオーガニックのオリーブオイルも造っています。
代々受け継がれて来た16ha前後のブドウ畑で一切の化学薬品に頼らない方法で
ブドウを育ててきたジョルディですが、
ワイン造りを始める以前はその全てを地元のコーペラティフへ
格安で販売し細々と生計を立てていました。
ワイン造りをスタートしたのは2008年、この当時は酸化防止剤も
使用していましたしstyleは今と180度真逆。
現在のようにナチュラルワインへ移行した
ヴィンテージは2012年からになります。
同じコンカ・デ・バルベラのジョアン・ラモン・エスコーダの
影響を強く受けましたが、
スタイルはエスコーダがエネルギーの爆発したスタイルなのに比べると
ジョルディは彼の人柄同様でより純粋で優しく、
静けさの中にエネルギーを感じるスタイルかと思います。
彼の住むブランカフォルト村は、モンブランの町から15kmほど、
町から離れた森と丘に囲まれた古くからの小さな静かな村です。
ジョルディはこの村で一番の有名人なのは間違い無いでしょう。
ちなみにこの土地は2021年1月の寒波で、
ブドウ畑は一面雪景色になりました。
畑は村の周りの標高400mから650mの基本的には
石灰岩質土壌の6つの異なる場所に
合計16haを所有し品種は固有品種であるパレリャーダ、
マカブー、ガルナッチャや
カベルネソーヴィニヨン、シラーを栽培しています。
畑においてもセラーにおいてもビオディナミを実践し、
特に畑は周りの畑と比べて一目瞭然の生きた豊かな土壌とブドウの木、
そして生い茂る緑を見ることができます。
標高の高さゆえの冷涼な気候、
地中海への近さゆえの海から注ぎこむ涼しい風、
これらは暑い日にも涼しい新鮮な夜が来ることを意味します。
ジョルディは土壌の健康、ブドウの木のバランス、
そしてワインの中への複雑味を得るため
生物の多様性を促進するよう草や花を数多く畑や畑の周りに残しています。
彼のセラーは2008年から17年までは実家の向かい側のとても小さい場所で
アンフォラや幾つかのタンクを用いワイン造りをしていましたが、
2017年に新しいセラーを近くに作り、
主に白ワインに使用する10基の粘土のアンフォラは
地下に埋めてありそれはまた圧巻です。
スパークリングワインも造り始めましたので
デゴルジュの機械など年々設備が充実して行っています。
只、未だに全てを家族で行っておりボトリングも手作業、
ワックスによるキャップシールも妹が1本ずつ丁寧に行うなど
依然として手作りには変わりありません。
醸造は至ってはシンプルで自然酵母のみを使用し何も足しません。
もちろん濾過のようなプロセスもありません。
衛生状態には最も気を使い、果実の純度、優美さ、繊細さ、
それに複雑さとデリケートな新鮮さが丁寧なその気遣いを物語っています。
彼を訪れるとまずは畑を、ブドウを見ることからスタートします。
健全なのか、問題があるのか、
19年のようにカビに襲われ多くのブドウを失った際にも
彼はきちんと問題を示してくれます。
ジョルディこそは真のファーマーに違いありません。
出会ってからずっと彼の造るワインを毎年追い続けた結果、
最も尊敬すべきはその人柄とワイン造りへの姿勢という事に
年々気づかされていきました。
出会った人々をHappyに、朗らかで
優しい気持ちにさせてくれる彼の人柄とワイン達、
日本でもお酒を愛する多くの方々に
感じてもらいたいと願っています。
ディオニーさんの資料より
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