父亡き後の10年間貸していた畑は、ヘリコプターで
撒かれた農薬でカチカチに荒れ雑草1本生えていませんでした。
畑を前に意を決した当主娘のアテネさんは、2003年まで勤めていた
パリの投資銀行を辞め、ボーヌの醸造学校を出るとサヴィニーレボーヌの
シャンドン・ド・ブリアーユ(ビオディナミ栽培)で1年間働きます。
ここで、彼女が目指すビオロジック栽培の基礎ができました。
現在は、実験的に1haのみ馬で耕していますが、機械のように
深く掘り下げない為、土が乾きにくくぶどうの状態も良いとの
手応えを感じています。
その後、最先端の技術を駆使してワインを造る
アフリカのドメーヌへ1年勉強に行きます。
温度、酵母、亜硫酸などすべてデータや機械に頼る醸造を見たアテネは
「ビオロジックを実践しないと本当のテロワールは出ないと思う。」との
結論を持ち帰ります。
そして2004年の末にシャトー・ド・ベルを引き継ぎました。
小さなころから自然や家庭菜園が大好きで育ったアテネは、
技術もさることながら葡萄1本1本の状態を見ながら栽培しています。
例えば、夏の選定を皆が終える頃でも伸び放題にそのままで
エネルギッシュに育てているとのこと。
理由を聞くと「樹液が上がるときに、樹液のある所に病気が出やすいので
樹液を貯めないで思いっきり延ばしてから選定に入るのよ。」とのこと。
将来が楽しみなアテネのワイン造りは始まったばかりです。
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