1980年、私は全教育課程を修了し、経営者の一員として、
父と同等に仕事をするようになりました。
この時代は、植物の伝染病予防の概念と共に除草剤が登場し、
そうした技術の改革によって仕事が楽になる一方で、
人体の健康への危険性はますます増していきました。
1986年、私が26歳の時に父が引退し、私はドメーヌを引き継ぎました。
造ったワインは、バルクワインとして、全てワイン商の手に渡りました。
当時ボジョレー・ヌーヴォーは大変良く売れました。
醸造添加物は、「販売できるに足る品質のワインをいち早く造れる」
という奇跡を作り出しました。
そんな時代の中で私は、沢山の添加物を加え、ワイン商の要望に
応えるだけのワイン造りにうんざりし、歓びを感じなくなっていました。
2006年、私は父から引き継いだ7haの全ての畑を手放し、
新たに2haの小さな畑を購入することを決意しました。
自身のワインに磨きをかけ、ビン詰めして自分のラベルでワインを
販売するために、その2haの畑作りに没頭することにしたのです。
この頃、私はビオのブドウ栽培者であるフィリップ・ジャンボン氏と
出会い、親しくなりました。
彼は私に特にブドウの木を植える作業について、
熱心にアドバイスをくれました。
私は、フィリップ・ジャンボンの生きた畑を見て、
その土壌の組成や構造に触れて、
これからのワイン造りへのひらめきを得たのです。
その時から私はビオロジック農法によってブドウ畑を造り、
2008年には、無添加栽培をすることを決めました。
この2年間で、私は失った40年間を取り戻したのです。
この方向転換に後悔はありません。
型どおりの(添加物入り)ワインをますます飲めなくなってきて、
今やヴァン・ナチュールのファンになっています。 」
(蔵元インタビューより)
ドメーヌ創業年:1980年
ドメーヌ解説
父から受け継いだ7haの父のブドウ畑を放棄し、
現在はエコセール認証を得た3haの畑を持つ。
(2006年に購入した2haのブドウ畑に加え、
2008年に1haの未開墾の畑を別途追加購入。
2011年、2012年、2013年に植樹。)
栽培:ビオロジック
認証機関:エコセール
栽培品種:ガメイ、シャルドネ
土壌:花崗岩質(ガメイ)、粘土質土壌(シャルドネ)
自社畑面積:3ha
醸造
醸造1 酵母:野生酵母
醸造2 醗酵容器: セメント、ステンレス、琺瑯
醸造3 熟成容器: ステンレス、オーク樽
年間生産ボトル本数: 5,000本
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