飲み手に深い喜びをもたらしてくれます。
ダヴィッドは1999年、ボーヌの醸造学校に入学、ディジョン大学で
エノロゴの資格を所有するまでの10年間、
さまざまなドメーヌで経験を積みました。
2003年のシャトー・ド・ボーカステルに始まり、
2005年にニュージーランドにわたり、
新世界のピノとシャルドネを学びました。
ブルゴーニュではドメーヌ・ユベール・ラミ(2004年と2007年)と
ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ(2008年)で修業しました。
ドメーヌを受け継いだ直後から、自然な栽培に取り組んでいます。
いつも思っていることですが、優れたワインの条件は、
誰がどのように造るかであって、テロワールが優れていることは必ずしも
最重要ではありません。むろん、優れたワインがさらに複雑さと奥行き、
深い味わいを表現できるためには、テロワールの質や格がものをいう。
とすれば、コート・ドールの最南端にある、
ぱっとしないアペラシオンのマランジュとサントネのワインを、
コート・ドールの優れたクリュのワインと比べるのは格違いだから、
無理というもの。せいぜいのところカリテ・プリどまりで、
いいヴィンテージの1級畑を選べばお買い得ぐらいなもの、
ということになるでしょう。 しかし、ダヴィッドのワインを味わって、
驚嘆せずにおれませんでした。ジャスパー・モリスは
『ブルゴーニュワイン大全』の序章でもって、
ブルゴーニュの精髄を体得していた巨人モーリス・ヒーリーの
次の名言を引用しています。
「私が人生で出会ったすばらしいものといえば、数本のみごとなブルゴーニュだ。
別にグラン・クリュだったわけでもなく、
偉大なヴィンテッジだったわけでもない。
だがそのワインは最初のひとかぎだけで、造り手が、
その年のその畑にできたブドウで、あらん限りの仕事をしおおせたことを
如実に示していた」。 私にとってダヴィッドのワインは、
まさに人生で出会った数本の見事なブルゴーニュです。
ラシーヌ創立10周年を迎える今春、このようなワインを
ご紹介できることの幸せで、いま胸がいっぱいです。
3月のリリース (予定)に、ぜひご期待ください。
合田 泰子
ドメーヌ解説: ダヴィッド・モローは1999年、ボーヌの専門学校で
ワイン造りを本格的に学び始め、ディジョン大学でエノロゴの資格を
所有するまでの10年間、さまざまなドメーヌで修業し経験を積んできました。
2003年のシャトー・ド・ボーカステルに始まり、2005年には新世界のピノと
シャルドネを知るためにニュージーランドへ渡りました。
ブルゴーニュではドメーヌ・ユベール・ラミー(2004年と2007年)と
ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ(2008年)で修業しました。
ドメーヌを受け継いだ当初からより自然な栽培に取り組んでいます。
収穫はすべて手摘み。野生酵母で醗酵をおこない
赤ワインは228リットルのバリック、
白ワインは300リットルのバリックで醸造、熟成をおこないます。
インポーのラシーヌさんの資料から
折りたたむ