(2009年だけメゾン・フォール・リーと呼んでいた)
は2009年当初何もないところからスタートした。エチケットのデザインは最初、
クラシックなものにしようか迷ったが、ワイナリーの家系でない我々が
守りに入っても意味がないと皆の意見一致から
最終的にAbbaye de Fontenay(ディジョンの北80kmにある
世界遺産登録されたシトー派の修道院)の7つの窓のデザインから取った。
このエチケットには、ひとつに、
シトー派の僧侶の修道院=ブルゴーニュワインというイメージと、
もうひとつには、上3つの窓が天すなわち神、
そして下4つの窓が地上すなわち人間を意味し、
これはビオディナミの基本理念の『現象を良く観察し熟考しそれから行動せよ』
にも通じる。また、『天=地』で、奉仕をした(働 いた)ものが
天に通ずるという意味もあり、我々が目指す天すなわちグランクリュ獲得という
思いも託されている」 とのこと。
彼が現在ワイン造りで最も大切にしていることは、
「ワインの味わいの中から葡萄のアイデンティティーを見つける」ことです。
彼は元生化学者だけあって、2009年のスタートから
毎年細かく醸造過程のデータをとっている。
たとえば彼は、収穫数日前から葡萄を毎日食べ、
外見や種の色、皮の厚み、酸の具合、苦み、味わいなどを細かくノートに記す。
そして次に、収穫時に圧搾した葡萄のジュースの色や味わいも
細かくノートに記す。
醸造中のワインも温度の変化、味わい、還元の有無などの
テイスティングコメントをノートに記す。
そして、最後に出来上がって瓶詰めし終わったワインの中から
その葡萄の持っているアイデンティティーを探し出す作業を根気よく行っている。
彼は言う、「ワインには必ずその年の葡萄の味わいが必ずあるはずで、
この分析作業により、自分の醸造方法できちん と葡萄本来の持つ
アイデンティティーが引き出されたかどうか確認することができる。
もし、ワインに葡萄本来の味わいが見付からない場合、
それは私が醸造の過程で不自然な何らかの手を加えた証拠となる」と。
この詳細データを毎年積み重ねることによって、
彼は収穫のタイミングや醸造方法など、テロワールが持つ最高のポテンシャルを
各ワインに反映することが出来ると確信している。
もうすぐ60歳になる人間には思えない、
積極性とダイナミックで鋭い感性を持つピエール・ファナル。
新星ワイナリーではあるがもうワインのレベルは超一流をしのぎます。
インポーターのヴァンクールさんの資料から。
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