★「 ワインは膨大な仕事をした結果の
テロワールの産物であること、
自身はつねに農⺠であること」
近年、若手の醸造栽培家が多く誕生している
アンジュのラブレ=シュル=レイヨン。
シモン・バタルディエールはその中でも
地についた経験と突出した才能があり
大注目されるヴィニュロンの一人です。
オーヴェルニュのVincent & Marie Tricotで
数年間働いた後、ロワールに移動、
Mai & Kenji Hodgsonで働き、
友人であるリシャール・ルロワなどでも研修した後、
2haを取得し、2018年、
初ヴィンテージをリリースしました。
ブドウ畑は、2023年現在、6箇所で合計3ha、
シュナンとカベルネ・フランをメインに、
樹齢100歳以上の古木から、
70歳、30から35歳、10歳、
最近自分で植えたフランピエの若木まで、
生物多様性を尊重しながら
すべて有機栽培で管理しています。
2021年にはレイヨン川北側にある、
モンブノーMontbenaultにある樹齢約80歳の
セレクションマッサルのシュナンが植わる区画と、
オ・ロッシェ・デ・カール Au Rocher des Quarts
(AOCの関係でシモンが名付けていますが、
実際はClosdesOrtinieres ジャン・フランソワ・シェネの
お父さんから購入)にある
樹齢10歳のシュナンの区画を得ました。
Au Rocher des Quartsの下方にある川に近い区画には、
樹齢100年以上のシュナンの古木から
苗木を造り植樹しています。
ワイン造りは基本的に区画単位で行われ、
収穫から醸造までとても丁寧に行われます。
ワインは、亜硫酸や炭酸ガスなど
すべて化学的な添加はしていない
本物のナチュラルワインであると同時に、
味わいは、芸術的でエレガント、
テロワールが表現された
偉大なファインワインとなっています。
2022年は異常気象の暑い年で、
亜硫酸をいれない本物ナチュラルワインに
コミットするシモンは、いくつかの区画のワインを
アソンブラージュすることで、
より複雑で美しいワインを造ることに成功しています。
「ブドウは水がメインです。
雨が降り、土壌をとおることで
フィルターされて、それが根からあがってブドウになる。
だからわたしは雨が土壌から根を通して
吸い上げられたようなワインが好きで、
ディジェスト(身体にすっとはいる)な
ワインであることを大切にしています。
凝縮したワインはそんなに好きではなく、
エレガントだけどディジェストなワインが好きです。
そういう意味で、近年の「低収量を無意味に崇める」
ワインブームには疑問を抱いています。
低収量にしすぎるとワインが凝縮しすぎるからです。
基礎のテクニックがあった上で、
自然、畑、ブドウ樹との関係を築き、
テロワールをワインに表現した自然と
わたしの共同作品を造ることができると信じています。
シモン・バタルディエール