アレクサンドルは2020年から2022年までの2年間、
シャンパーニュの若手グローワーの
利益を代表し擁護するグループ
『Le Groupe des Jeunes
Vignerons de la Champagne
ル・グループ・デ・ジューヌ・ヴィニュロン・
ド・ラ・シャンパーニュ』の会⾧を務めていました。
このグループの大きな目的は、
持続可能な農業と除草剤ゼロの推進です。
グループには、ポール・ゴッセやアントワーヌ・ブヴェ、
ロマン・エナン、オーロール・カザノヴァ、
アドリアン・ルノワール、マキシム・ウディエット、
オーレリアン・ルメール、マチルド・サヴォイ、
アレウサンドル・ランブロ、
フラヴィアン・ノワックなどが加盟しています。
アレクサンドルの母のElizabeth VOLLEREAUX
エリザベス・ヴォルローは、⾧年アイの自宅で、
ターブルドットの宿を営んでいました。
コロナによる人手不足から
現在はターブルドットは止めて、
ゲストハウスになっていますが、
彼女は料理に深い情熱を持ち、
お客様をもてなしています。
*ターブルドット:家の主人が料理を作り、
家族とゲストと一緒に大きなテーブルで
食事をしながらもてなすスタイルの宿。
私も2022年の秋にドメーヌを訪問した際に、
アレクサンドルとともに
彼女の手料理のランチを頂きました。
家庭料理の枠を超える、素晴らしい味わいで、
ミシュランの星を挙げてもいいような
感銘を受けました。
そんなプロの料理人並みの腕前を持つ母に
育てられたアレクサンドルは、
とても鋭敏な味覚の持ち主です。
完璧主義者で、細部へのこだわりの強い彼は、
最初から自分がどのように働きたいか、
どんなシャンパーニュを造りたいのか
明確なヴィジョンを持っていました。
このため、ブドウ畑での細心の注意を払った
ビオロジックによる栽培と、
セラーでのディテール重視のアプローチを通じて、
純粋で生き生きとした表現力豊かで
みずみずしい構造の美食(ガストロノミー)の
シャンパーニュを造っています。
当初アレクサンドルは、ステンレスタンクや樽、
素焼きの砂岩の卵型タンクなど、
様々な容器での醸造を試しましたが、
ステンレスタンクで醸造したロットの味が気に食わず、
全て蒸留所に売却してしまったそうです。
醸造に関しては、手摘みで収穫したブドウを
ダイレクト・プレスし、
軽いデブルバージュ(前清澄)の後、
果汁を澱と共に直接樽、
もしくは素焼きの砂岩の卵型タンク
(2019年以降)に入れてアルコール醗酵。
その後、引き続き自発的なマロ醗酵と熟成。
無清澄・無濾過でティラージュして瓶内二次醗酵と
マチュラシオン・シュール・リー。
ルミュアージュを手動で行って、
ア・ラ・ヴォレでデゴルジュマン。
亜硫酸は圧搾時に少量添加するのみで、その後は無添加。
ドザージュはMCR を使用しています。
アレクサンドルは、MCRが
最もワインに与えるインパクトが少なく、
ワインの表現が開くのを手助けしてくれるもので、
リキュールだとワインに別のものが
加わってしまうと考えています。
ドメーヌでは、厳選したヴィエイュ・ヴィーニュから
得られる最上のブドウのみを
ドメーヌのシャンパーニュの醸造に使っています。
その他のブドウは全てシャヴォのコーペラティヴと
ラエルトに売却しています。
ドメーヌの初ヴィンテージは2018年
(一部2019年とのアッサンブラージュ)で、
5種類のキュヴェが造られました。
トータルで僅か4800本となる初ヴィンテージは、
2023年の年末にフランスでリリースされました。
弊社ではリリースに先立ち2022年の秋に
ドメーヌを訪問して日本への割り当てを確保しました。
既にイタリア、スウェーデン、デンマーク、
ドイス、スイスのインポーターが
取り扱いを始めています。
1985年生まれのアレクサンドルは、
同世代で同じアイに住むポール・ゴッセや
ロマン・エナン、また同じシュッド・エペルネーの
オーレリアン・ラエルトやセレック、
さらにフラヴィアン・ノワックや
ティボー・ルグランなどが友人で、
頻繁に交流しています。
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