歴史
ドメーヌの歴史は、1947年父方の祖父で
薬学博士であったJules Bretが、
Vinzelles村のLa Soufrandièreと呼ばれる地所を
取得したことに始まる。
当時の畑はPouilly-Vinzelles Climat «Les Quarts »に
わずか1haのみであった。
Jules Bret夫妻は、その区画に隣接する区画を取得し
所有畑を拡大するものの、
畑は全てメヤイヤージュ(折半耕作)に出され、
収穫されたブドウは協同組合へと売却されていた。
1969年、Jules Bret夫妻の三男Jean-Paul Bretが、
La Soufrandièreの地所の管理人に。
この時すでにPouilly-Vinzelles Climat « Les Quarts »を4ha、
Pouilly-Vinzelles Climat « Les Longeays »を0.55ha、
合計4.55haに拡大されていたが、
やはり畑は全てメヤイヤージュ(折半耕作)に出され、
収穫されたブドウは協同組合へと売却されていた。
Jean-Paul Bretの息子、Jean-Philippe、Jean-Guillaume、
そしてMarc-Antoineは幼少の頃から休日を
Vinzelles村で過ごしていたが、
彼らのルーツであるその地で目を引くようなワインを
生み出したいと考えるようになり、
Jean-PhilippeとJean-Guillaume兄弟は
1991年から2000年にかけて
栽培・醸造学について学び、
著名生産者の元で研鑽を積むこととなった。
1998年、Jean-PhilippeとJean-Guillaume兄弟が
この地へ戻る時に備え、長年ブドウを売却していた
協同組合との関係に終止符を打った。
2000年、Jean-PhilippeとJean-Guillaume兄弟が
この地へ戻り、ドメーヌとして初めて
醸造・瓶詰めを行った記念すべき年となった。
またこの年からビオロジック、ビオディナミを
栽培法として採用している。
2001年、ブルゴーニュ南部に特化し、
その類稀なテロワールを体現する偉大なワインを
産み出すことを目的としたネゴシアン
Bret Brothersをスタート。
2004年、母方の祖父が所有していた
Mâcon-Vinzelles « Le Clos de Grand-Père »の耕作を開始。
2006年と2008年、ヴィエイユ・ヴィーニュのガメイが
植えられているBeaujolais-Leynesの畑3haを取得。
2012年、醸造設備を480m2へと拡充。
2016年、ビオで栽培されているSaint-Véran 3.5ha、
Pouilly-Fuissé 1.2ha、Aligoté 0.3haを取得。
栽培
ドメーヌでは、2000年からビオロジック、
ビオディナミを栽培法として採用し、
除草剤や殺虫剤といった人口合成薬剤を一切使用せずに
土中微生物などの多様な生物相に
最大限の配慮を払った栽培を行っている。
これは、バランスがとれ、活力に溢れた、
卓越したテロワールを反映したワインを生み出すため。
さらに、収量を抑えるため、
摘芽など自然な方法も採用している。
なお、公式な農法転換は2003年から行っており、
2006年にAgriculture Biologique(AB)及び
demeterの認証を取得している。
また農作業においては、
2000年から部分的な耕耘に留めており、
2008年からは農耕馬による耕作を実施。
土壌を丁重に扱える伝統的な農機具の再導入、
人とともに動物の畑への導入、
土壌にかかる圧力の抑制などの効果があったが、
この効果は時代遅れとも思われる
これらの手法に対する関心を
刺激するに十分なものであったという。
醸造
完璧に熟したブドウを手摘みで収穫し、
慎重に破砕後に3時間かけ圧搾。
デブルバージュを行い、
6~18年樽のみ(新樽不使用)
またはタンクのみを使用し、
区画別のロットに分け、
ブドウ果皮に存在する天然自然酵母のみで発酵。
熟成期間は以下の通り。
Mâcon-Vinzelles « Le Clos de Grand-Père »,
Pouilly-Vinzelles 11ヶ月
Pouilly-Vinzelles « Les Longeays »,
« Les Quarts » 17ヶ月
添加するSO2はワインに寄って異なるものの
40~70mg/Lに抑え、よりピュアにテロワールを
反映したワインが生まれるように配慮している。
(demeterでは90mg/Lまで認められている)
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