★大変革の真っ只中にあるシャンパーニュ。
もはや4大産地ではなく、21のサブリージョン、
さらには各村毎に、次々と誕生する
新しいグローワーを知っていかなければ、
シャンパーニュの最新の潮流を
理解することはできない時代に突入しました。
オーレリアン・ルメールも、その変革の中で誕生した
若手グローワーの1人です。
6つあるヴァレ・ド・ラ・マルヌのサブリージョン、
Rive Gauche リブ・ゴーシュの
Boursault ブルソーに本拠を置いています。
オーレリアンは1987年生まれ。
アヴィーズのリセ・ヴィティコールで
ブドウ栽培と醸造を学んだ後、
幾つかのブルゴーニュのドメーヌで研鑽。
その後、2ヘクタールの畑を継承して、
2016年に家業に参画しました。
すぐにビオを導入しましたが、
2016 年は雨が多い天候で、畑は悲惨な状況に。
オーレリアンは落胆します。
しかし、勉強のために訪問した
ムーゾン・ルルーの素晴らしい畑に感銘を受け、
自分も必ずできるとの信念を持ち、
ビオとビオディナミ、アグロフォレストリーを推進。
畑の自然治癒力が高まった2019年に
初めて自身の名前によるシャンパーニュを仕込みました。
友人であるアンワーヌ・ブヴェやフラヴィアン・ノワック、
ティボー・ルグランなどの新世代のグローワー達と
親しく交流している彼が目指したのは、
亜硫酸無添加のナチュラル・シャンパーニュでした。
この10年の間にシャンパーニュの若手グローワーの中では、
ナチュラルワインのアプローチで
シャンパーニュ造りをするグローワーが
増えてきました。
ナチュラルワインの世界的な広がりとともに
成人を迎えた今現在20代後半~30代後半の
若いグローワー達は、ナチュラルワインを数多く味わい、
それまでの世代よりもはるかに
ナチュラルワインに親しんできています。
中にはフランスの他の産地の
ナチュラルワインの造り手で教えを受けた
グローワーもいます。
彼らは醸造添加物を一切加えず、
SO2も無添加もしくは必要最小限しか
加えないナチュラルワインのアプローチで
原酒を醸造してシャンパーニュを造っています。
ドザージュもゼロか、
限りなく少ないものばかりです。
この新しい潮流のナチュラル・グローワーの
シャンパーニュの特徴は、
柔らかなアタックや溶け込んだ泡、
ナチュラルワインと同じ、
ピュアでうまみ豊かな染み入るような
味わいなどが大きな特徴です。
今年リリースとなったオーレリアンの
デビュー・シャンパーニュは、
単一リューディで栽培された
単一年のブドウで仕込んだリューディ・キュヴェ。
これまでのシャンパーニュのイメージを大きく変える
斬新なエチケットであることもあり、
既にフランスや北欧の最先端の
ナチュラルワインショップが買い付けに走っている、
最新鋭のナチュラル・シャンパーニュです。
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