この時、ジノは天啓に打たれたように、
⾧年、他のワイナリーのために働いてきましたが、
自分自身でブドウを栽培してナチュラルワインを造るのに
適切な時が来たと感じたそうです。
こうして、ジノは友人であり、共同経営者である
ジャンルカ・コロンボ(バローロで自身のワイナリー経営)とともに、
セッテを設立したのです。
セッテはジノの中で湧き上がってきた創造的なプロジェクトです。
新しい道を探検すること、新しい挑戦への興奮、
そして新しい場所で自然と地球に貢献したいという
願望から生まれました。
セッテでは、2017年に実験的に醸造を行った後、
完全経営の初年度である2018年からビオロジックで栽培を行っています。
土壌の浄化と再生を助けるために畑にはアブラナ科の植物を植えました。
さらに、土壌の複雑さと活力の増大を促し、
侵食の防止にも取り組んでいます。
2020 年からはビオディナミも導入しました。
セッテのブドウ畑は、この地域では数軒程度しかない、
背の高い樹木と果物の木がある希少なブドウ畑です。
将来的には、このようなアグロフォレスティエールの植生を増やし、
ブドウ畑に40種類以上の地元の果物や背の高い木を植える計画です。
栽培面積は7haで、17の細かい区画に分かれています。
栽培品種はバルベーラがメイン( 5.2ha ) 、
その他に、モスカート(0.675ha)、グリニョリーニョ(0.45ha)、
シラー(0.3ha)、カベルネ・ソーヴィニョン(0.3ha)、
アルネイス(0.075ha)を少しずつ栽培しています。
そもそも、ジノはバルベーラに深い愛着を持っていました。
なぜなら、彼が自分自身でワイン造りをしたいと初めて感じたのは、
トリンケーロのヴィーニャ・デル・ノーチェを味わって
感銘を受けた時のことだったからです。
現在のセッテの畑を購入したのも、
畑のバルベーラの美しさに惹かれたからでした。
もちろん、ヴィーニャ・デル・ノーチェとセッテの畑とは、
テロワールもワインの個性も異なりますが、
ジノは、トリンケーロのヴィーニャ・デル・ノーチェと、
そしてカーゼ・コリーニのバルベーラが、
ピエモンテで造られる最上のバルベーラであると考えています。
そして今でも二人を尊敬してワイン造りをしています。
ニッツァ・モンフェッラートは非常にユニークなテロワールで、
ランゲよりもエレガントで酸と深みがあるバルベーラが
生まれると言われています。
セッテの畑はDOCG Nizza域内にあるため、
バルベーラで造る赤ワインは全てニッツアで
リリースすることができますが、
セッテでは畑の最上のバルベーラの区画から
造られるキュヴェのみをニッツアでリリースし、
その他のキュヴェは格下げして、
バルベーラ・ダスティとしてリリースしています。
また、若木のブドウはロゼに仕立てたり、
エントリー・レンジのキュヴェにブレンドしています。
ジノは、モスカートの名手エツィオ・チェッルーティとも
交流があり、友人だそうです。
彼のドライ・モスカートが大好きで、
自分でもドライ・モスカートを造りたかったジノは、
醸造について彼に教えを受けに行ったそうです。
また、セッテの共同経営者であるジャンルカ・コロンボは、
大学時代にロレンゾ・コリノ氏と一緒に共同で
論文を執筆した間柄だそうです。
セッテが目指しているのはナチュラルワインでも、
揮発酸が高かったり、過度の酸化といったオフのない、
テロワールを表現したファインワインです。
現在生産しているキュヴェは全部で7種類。
若木のブドウからリッターボトルの
ヴァン・ド・ソワフも造っています。
セッテのワインは、エチケットもアーティスティックで、
デビューと同時にヨーロッパで人気が爆発。
デンマーク、スウェーデン、オランダ、ドイツ、フランス、
ベルギー、オーストラリアなどに輸出されています。
ヴァン・ド・ソワフの2 種類のキュヴェ以外のエチケットは、
ジノの友人であるアーティスト
Arianna Vairo アリアンナ・ヴァイロによって、
ジノの人生のインスピレーションである水をモチーフに描かれています。
バルベーラとニッツアには、水の中にある7 つの石が、
その他のキュヴェには海の生物が描かれています。
ワイナリー名のSette セッテ(イタリア語で数字の7 を意味する単語)は、
錬金術の用語に由来しています。
セッテとは「創造的な人」を意味します。
到達したい目標、新しいプロジェクトをあったら、
すぐに行動したくなってしまう人のことです。
ジノ・デラ・ポルタとジャンルカ・コロンボの二人は
まさにこのような性格でした。
二人は生来の好奇心に動かされて、セッテを設立して
新しいチャレンジを始めたのです。
また、錬金術におけるセッテには父も母もいません。
このため、地元の人達のように家族から継承した伝統もありません。
二人は誰にも、地元の慣習にもとらわれず、
自由に自分達の道を歩んでいるのです。
インポーターのVIVITさんの資料より
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