歴史:テヌータ・ディ・カステッラーロは、私たちがいるこの天国の片隅を
皆と分かち合いたいと願い、同時にこれほどまでに私たちに身近で、
私たちの本質や気質にぴったりのこの地域に賛辞を贈りたいと
深く望んだことから、生まれました。
だからこそ私たちのエンブレムを、この土地に結ぶことにしたのです。
テヌータ・ディ・カステッラーロを、偽りのない、本物で、
生きた営みがあるエオリア諸島のために捧げます。
そしてこの島々を称える手段としては、人の持つ力、努力、
暮らしを営む大地からその歴史のエッセンスを引き出せる能力を
最も表現できる産物、つまりワインより他にない、と私たちは考えました。
テヌータ・ディ・カステッラーロがこれほどまでに明確な方針を選択でき、
島と自分たちの関係作りができたのは、ワインをとおしてエオリアの文化や
テロワールを表現することに誰よりも長け、
私たちにワイン生産グループ ・イ・ヴィニェーリの
仲間に加わることを決心させた、サルヴォ・フォーティとの
出会いがあったおかげです。
こうして私たちの大胆ともいうべき決意は、
この農園の誕生に向けて明確な役割を演じ、
ボトルから味わって頂いているとおり、
初期段階から既に大きな成果を上げています。
ドメーヌ解説:テヌータ・ディ・カステッラーロは、エオリア諸島のリパリ島に
点在する複数の畑から成り立っています。
それらのほとんどが、私たちが生産活動を始めた〈カッペロ地区〉と、
その地名にちなんで私たちの農園名もつけられた
〈カステッラーロ地区〉にあり、いずれもリパリ村内に位置しています。
マッジョーレ、リスカ、コアリーノそしてジェルソは、
それぞれ北西に向かって位置する畑の名です。
これらの畑からは、サリーナ島、アイクーディ島や
フィリクーディ島などの美しい島々が一望できるほか、
カッペロの畑は、島の南から東の方角に向かい、
ヴルカーノ島の真正面に広がっています。
私たちの畑には、アルベレッロで仕立てたブドウの木が植えられ、
その一本一本が栗の木を手作業で縦に裂き、
化学処理をいっさい施さずに作った添え木によって支えられています。
赤ワイン、白、ロゼ、あるいはリパリ島の名を高めたパッシートワイン、
マルヴァジーア・デッレ・リパリなど
その土地のテロワール適したワインを生産するよう、
マルヴァジーア・デッレ・リパリ、ネロ・ダーヴォラ、
コリントその他の土着品種を選び、接木をして苗木をつくって
それぞれの畑に植えました。
私たちは、歴史・文化・伝統を尊重しつつ、
ブドウ栽培とシチリアのワイン醸造を根源として、
自分たちの一歩を踏み出したいと考えました。
それらは私たちに残された遺産であり、それらを深く尊重することは、
この大地の力を引きだすことにつながる、と信じたからです。
私たちの望みと夢は、独特で革新的なワインの生産をすることにより、
地域の土着品種に秘めらた官能性と、
大いなる品質力に価値を与えることであり、
それがこの素晴らしいテロワールの特質を
最も表現できる方法だと考えます。そのように私たちは信じています。
なぜ石の名前をワインに付けたのか? 私たちの畑を歩いてみると、
その土壌に浮石と黒曜石が多く含まれているのに気づくでしょう。
それらはまるで一つのメダルの表と裏のように、本当は同じ石なのです。
ただ、火山から違う温度で噴き出されただけで、
はじめに噴き出したものは白くて軽い浮石になり、
次に噴き出されたものは黒く鋭利な黒曜石になりました。
この二つの石は、古くは地質時代からこの島全体にみられ、
今日まで何世紀ものあいだこの島の商業と結びつき島の名を
世に知らしめており、私たちとも切り離すことはできません。
白と黒(イタリアでは赤ブドウと黒ブドウとも呼びます)、
そのどちらも同じブドウという果実であるのにも似たこの石たちの名を、
私たちはシンボルにしたいと思いました。
栽培品種:マルヴァジーア・デッレ・リパリ、ネロ・ダーヴォラ、
コリント、その他の土着品種
自社畑面積: 20ha
土壌: 深い、火山性の砂質土壌。肥沃で、微量元素に富む
生産量: 40.000本
ラシーヌさんの資料より
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