畑・栽培について
「僕にとってワイン造りは、可能な限り
純粋なブドウ果汁を得ることであり、
その果汁こそがブドウが育ったテロワールや
ミレジムを反映する」と、アクセル。
この理念を実現に近づけるため、
購入するブドウの栽培はビオロジックやビオディナミ農法に限り、
自身で収穫を行っている。
2022年に2区画を取得することが出来たが、
ドメーヌ・ド・コート・ルースでの畑仕事を優先させるので、
自分の畑への時間が多く取れない。
焦らず少しずつできることを増やしていく、とアクセルは話す。
◆グラン・プネイ(Grand Peney)
プネ山(1365m)斜面の区画。
標高600m東向き、0.25ha、100%ジャケールが植わる。
2022年2月に購入することが出来た。
一帯の畑の中で一番標高が高い畑で、面白いワインが期待されるが、
全オーナーは除草剤が大好きだったようで、
理想的な状態の土ではないし、
若い木の剪定も酷いので畑の本領を発揮させるには、
数年がかりの作業になるだろう。
ジャケールは比較的樹勢の強い品種でもあるので、
5年ほど経てばよいブドウが取れるようになるだろうと
アクセルも考えている。
◆サン・タンドレ(Sant’Andre)
平地、0.18ha、100%ジャケールが植わる畑で、
購入したかったが金銭的に難しく、2022年3月から借りることに。
剪定もまだの畑だったので、駆け込み剪定で3月末は大変だったそうだ。
ビオロジック栽培を始めて2-3年は経ている。
周囲三辺が林に囲まれた、静かな雰囲気の畑。
セラー・醸造について
初VTの2020年は、ドメーヌ・ド・コート・ルースの片隅を借りて醸造。
その年は周囲の3軒の栽培家からブドウを購入し、
フィルターを通さず、瓶詰め時の亜硫酸添加はしたが、
それ以外の介入を控えるワイン造りを目指している。
2021年VTからは入手したセラーで醸造を始めたが、
5年間使われていなかったため、
セラーは掃除や改装が必要な状態。
アクセル本人は白ワイン好きで、
赤ワインも軽やかなスタイルを目指すが、
色は薄くても味がしっかり整っていなければならない、
と考えている。
気負いのないアクセルの性格を映し出すワインは、
滑るような飲み心地で、
2020年VTのアルコール度数は白赤とも11%前後と、
近年のワインとしては非常に低い。
といっても、青みや未熟感がつよいわけではなく、
不思議なテクスチャーが持ち味です。
ラシーヌさんの資料より
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