畑と栽培について
ドメーヌのブドウ畑は傑出したミクロクリマに恵まれています。
畑は海から2キロの場所に位置する丘の中腹にある段々畑で、
サントロペワ湾の細い入り江に挟まれています。
湾から吹く海風が畑に溜まる湿気を吹き飛ばしてくれるため、
ベト病やうどんこ病などの病気は殆ど発生しません。
また、南西向きの斜面であるため、ミストラル(北風)からも守られています。
ブドウ畑は灌漑されておらず、地質は石英(クオーツ)が混じった砂質片岩です。
このため、ブドウ木は水を求めて地下深くまで根を伸ばしていきます。
このことによって、クロ・デ・ベのアイデンティティと言える
『ミネラルとフレッシュ感が備わったブドウ』を得ることができるのです。
栽培品種はグルナッシュ、ムールヴェードル、サンソーで、
平均樹齢はグルナッシュが20年、ムールヴェードルが30年、
サンソーが50年と、殆どがヴィエイユ・ヴィーニュです。
『星の王子さま』の作者として知られるフランスの作家、
アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリは
「私たちは先祖から土地を継承しているのではなく、
子供達から土地を借りているのです。」と書き残しています。
クロ・デ・ベでは、この考えに基づき、
土地を尊重しながらワイン造りをしています。
生物多様性と土壌の免疫力を高めてブドウの手助けをする。
土壌の微生物を増やす。耕運をして土が固まることを防ぐ。
そのような観点から設立当初からビオディナミでブドウ栽培を行っています。
ドメーヌでは、ラフィットやモンローズ、ドメーヌ・ド・シュヴァリエなどの
コンサルタントを務めているビオディナミコンサルタント
Jacques Foures ジャック・フールからビオディナミの指導を受けています。
エコサートによるビオ認証も取得中です。
栽培と醸造について
畝の間にはカバークロップを生やし、畑の周囲の生物多様性が
広がるようにしています。
このため、春からは多様な植物が畝を覆っていきます。
そして馬で耕す際にこれを畑にすきこんで肥料にします。
冬の土寄せと夏の中耕は、友人の2頭の馬の助けを借りて行っています。
秋には、緑肥として、イネや野菜、穀物などを畑に撒いて栽培します。
醸造は、区画毎に完熟したブドウから手摘みで収穫します。
同じ区画でも場合によって収穫日をずらして
2回に分けて収穫することもあります。
厳格に選果して、小さなケースで醸造所に運ばれたブドウは、
野生酵母で自発的に発酵させ、醸造添加物やSO2 は一切加えずに醸造されます。
熟成後、無清澄、ノンフィルターで瓶詰めされます。
ボトリング後のワインのネガティブな反応を避けるために、
瓶詰め時に必要とされた場合に限り、最小限のSO2 を添加します。
ドメーヌでは栽培から醸造に至るまでの作業工程は可能な限り手作業で行い、
極力、機械と人為的介入を排したナチュラルなワイン造りを行っています。
また、ドメーヌのロゴとエチケットは、カトリーヌ・エ・ピエール・ブルトンや
レ・ザスレット・デュ・ヴァンのエチケットのデザインもしている
フランス人画家のMichel Tolmer ミシェル・トルメーです。
グゥエンドリーヌとジャン・ジャックは以前からトルメーのデザインが大好きで、
共通の知人を通して知り合い、彼にドメーヌのアイデンティティを目に見える形で
デザインして欲しいと依頼しました。
出来上がったデザインは、『空と海の間のワイン』という
ドメーヌを象徴するイメージに合致していたためエチケットと
ドメーヌのロゴとして採用しました。
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