★エイドリアン・フォグは1997にジェーン・ファレルとスチュアート・ドーマンによって設立されたドメーヌで、
生産数は多い物で300ケース、少ない物で23ケース総生産で700ケース程。
畑は、ブドウそれぞれの特性が活かされることを考慮して選抜されている。
彼らが選ぶ畑は、それぞれがサンフランシスコ沿岸で発生する冷たい霧の流れの影響が考慮されているが、
ここメンドシーノにおいては基本的に霧の影響が少ない。ここではクローンと樹齢、そして斜面の向きが問題となる。
オッペンランダー・ヴィンヤードはカリフォルニアでは冷涼な地域として知られるメンドシーノ・カウンティにあり、
その標高は約200M、北西向きと南西向きの2つのブロックで形成されている。
土壌構成はローム性の石灰質が主体で、表面に小石や砂が残る。
1ヘクタール当たりに植えられている本数は約4000本である。
2004年は,Pommard/ Martini/ 114/ 115/ 667の5種類のクローンを使って造られている。
収穫と醸造及び樽による熟成は、全てのクローンと区画ごとに分けて行われる。
醸造と熟成
それぞれのワインにおける本質的な姿やその微妙な違いを正しく知るために、
全ての過程においてブロックやクローンごとに分けられている。
100%除梗して2~3日の低温マセレーションの後、自然な醗酵を促す。
その期間は概ね3週間で、1日数回の足によるピジャージュが行われる。
新樽使用率は約50%で、11ヶ月の熟成期間を設ける。
ビン詰め時における亜硫酸の添加についてはワインの状態ごとに判断するが、
オッペンランダーの総亜硫酸量は僅かに21ml/1kl、フランスの自然派並みで極端に少ない。
清澄とろ過については、どちらも施されていない。生産数は160ケース。
私たちは、収穫やオリ引き、ビン詰めなどをできるだけ満月に近い日に行うように務めています。
自分たちのワインが月のサイクルから受ける影響をまるで楽しんでいるかのように思えることが多いためです。
ですから、皆さんにも満月に近い日の夜に飲むことお勧めします。
きっとこのワインの妖しい魅力をいっぱいに楽しんでいただけることでしょう。もちろん無添加です。
2005年について
生育期は長い間にわたり気温が低かったようです。
スチュワートが「将来にわたり我々の記憶に残るだろう。」と語るほど、寒い時期が長かったのだと思われます。
収穫の期間は絶えず「待つ」と「収穫する」の繰り返しであったらしく、彼は「Wonderful Cool」とも述べており、
極めてゆっくりとしていながらも整然としたペースの収穫を彼らにもたらしたとのこと。
房がブドウの樹になったまましばらくの間おくことが可能だった年(理想的な状態を保ちながら)で、
このことが「全ての区画とそこに植えられているブドウのクローンが元来有する精妙さと、
驚異的な深みを表現することを実現できた。」稀に見る成功年です。