2007年の醸造は、近所でワイン造りをする
知り合いの醸造設備を借りて仕込みました。
それまでワイン作りを手伝ったことはあっても、醸造学校に行ったこともなく、
ワイナリーで 働いたこともないシモンにとっては、試験的な仕込みであり、
どちらかというとちょっとした興味程度のことでした。
知り合いである“近所のおじさん”のワイン作りを真似て作った初ビンテージは、
SO2をあまり使わなかったという(SO2含有量は80mg/L)。
今風のテクニックを駆使しないことが幸いしたのでしょう。
その結果、ワイン作りとは、原料であるぶどう栽培と醗酵という工程が必要な、
奥が深く複雑で、内容の濃い点に興味がわいてワイナリーになる決心をしました。
夢は地中海の大平原「カマルグ」で乗馬をして暮らしたい、
というほど馬が大好きなシモンは、
どうせ農業をするのなら馬で耕そうと考えます。
友人を通して、馬でぶどう栽培をする蔵元として有名なロワールの
オリヴィエ・クザンに出会い、手綱さばきの研修を受けました。
今ではボルドー液などの農薬散布以外は
全て馬を使って栽培をするようになりました。
「馬は、大地と私の大切な友達。」とシモンは言います。
栽培・醸造
そんな彼ゆえ、父から譲り受けたぶどう畑は当然ビオロジック栽培。
現在では5haに拡大し、一部でビオディナミも実践している。
2007年に「エコセール」の認証を取得しました。
「産地らしさ」その典型性をワインに表現するには、
毎年異なる気候の違いに応じて最高のぶどうを育てること。
ぶどうが最後まで熟成する力があるかどうか。
そういう点も含めて収穫のタイミングが
ワイン作りにおいて一番重要だと考えています。
「ぶどうがワインになる秘密の通り道がある」のだそう。
収穫の際には、喜び、または歓喜に包まれた雰囲気でぶどうを収穫できると、
そのエネルギーがワインの味に影響すると思っています。
(J.M.ブリニョも同じ事を言っています。)
これは言い換えると労を惜しまず仕事をするということであり、
心をこめてぶどう作りをすることにつながります。
当然、醸造所での仕事も同じライン上にあります。
シモンさんの気持ちが皆に伝わるせいか、週末にあわせた3~4日間の収穫には、
家族や友人、その家族が集まって50人前後の人が手伝ってくれる。
バックラベルには、感謝を込めて収穫者の名前を入れています。
蔵の中での仕事は、できるだけ人為的な介入をしないよう、
またポンプを使わないように心がけます。
酵母は天然酵母を使い、SO2はできるだけ控えたワイン作りをおこなっています。
インポーターのヴァンクールさんの資料から
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