★サラッコの当主パオロ・サラッコは、モスカート・ダスティの名手として熱狂的に愛され、
格別な扱いを受けている造り手です。
代々モスカート・ダスティを作るサラッコ家の4代目で、1984年にアルバの醸造学校を卒業しました。
父の代までは、そのモスカート・ダスティをタンクごとネゴシアンに売っていましたが、
パオロの代になって元詰めを始めました。
欧米での人気が高いため、ことさら新たなマーケットを必要としていなかったとのことでしたが、
今回ようやく日本市場初入荷が決まりました。
「軽やかで、酸と果実味のバランスが良く、爽やかな甘さ」というと、
表面的にしかその味わいが伝わらないのが残念ですが、
一言でいえば、「センスが良い」ということでしょうか。
「ビン詰め後、なるたけ早く飲みきること」というモスカート・ダスティの既成観念を破って、
サラッコはビンのなかで熟成を続けるため、あわてずに楽しむこともできます。
土曜日の昼下がりなどに単独で優雅にグラスを傾けたり、
デザートの友またはデザート代わりに味わうというやり方が、私のお勧めです。
ティータイムのしゃれた飲み物や、アペリティフとしても、おおいに楽しめますし、
桃やイチゴなどのフルーツとの相性も抜群です。
なお、パオロが自らの楽しみのために造っている、少量のリースリングとシャルドネ、ピノ・ネロも秀逸です。
マット・クレイマーは、『イタリアワインがわかる』(未訳)の中で、次のように述べています。
「私にとって、モスカート・ダスティ最上の生産者は、パオロ・サラッコである。私の知るかぎりでは、
サラッコのモスカートは、テクスチュアの濃密度と空中に張り渡されたロープのような優雅さを
漂わせるという点にかけては、誰よりもキオネッティ夫人の作にちかい。
味わいはすなわち、濃醇で密度が高く、フレッシュで純粋。
サラッコは、モスカート・ダスティのベンチマークとなる生産者である」。ラシーヌの合田泰子さんのコメントから
過去の取扱いアイテム一覧
https://www.sakemorita.com/old/saracco_a.html