★ラシーヌさんからテクニカルノートの抜粋です。
『 ヴィヌメンティスのワインは、ヤン・ロエルが長年コンサルタントを務めている優れた造り手と話し合い、
コンサルタント先の一隅で、独自に醸造、瓶詰めされたオリジナルなCuvee Yannである。
当然ながら自分の所有する畑でないため、ネゴシアンワインとなる。
アペラシオンは2004年現在で、ボジョレ・ヴィラージュ、フルーリ、シルーブル、ボジョレー・ヌーヴォー、
コート・デュ・ローヌ、コート・ド・ヴァントゥに及んでいる。
自然派の系譜をたどればその始祖は、ボジョレ地区で1950年代に酸化防止剤非使用でワインを造りはじめた、
醸造技術者ジュール・ショヴェにたどりつきます。
昔はどこでもビオロジック栽培だったわけですが、1960年代に入ってから化学肥料や農薬を使用する栽培方法が
急激に広まり、醸造学校でも商業的に安定したワイン造りを指導しました。その流れに抗して、Chサンタンヌの
フランソワ・デュティユ、ピエール オヴェルノワ、グラムノンらはヴァン・ナチュールを造りつづけました。
70年代終わりからマルセル ラピエールが、ジュール・ショヴェの教えのもとにヴァン ナチュールへと
転換をはかり、同地区に次々とヴァン ナチュールを目指す造り手が登場しました。
技術者としてジュール・ショヴェのもとでその教えのすべてを学んだのがジャーク・ネオポールです。
彼は50を超える造り手たちのコンサルタントとしてジュール・ショヴェのワイン造りを伝え、広めました。
ヤン・ロエルは、車を運転しないジャークの運転手として、ともにジャークのクライアントを訪ね、
経験をつみ重ねました。つい最近まで、自然派の造り手はフランス全土で20人ほどでしたが、近年自然派に
転換する造り手や新規参入の造り手が次々登場してきています。新しい造り手たちにとって、
自然派でワインを造る道のりは険しく、経験を重ねるしか方法はありません。頼りになる技術的な教科書は皆無で、
指針にすべきお手本もほとんどないため、志のある生産者どおしが経験を交流し情報交換をしながら、
数多くの難問を現場で解決していき、ようやく目指したワインに仕上げられるようになります。
醸造技術者として長年優れた自然派の造り手のもとでワイン造りに携わってきたヤン・ロエルのワインは、
ファースト・リリースからしてすでにヤン流に完成した世界を実現しています。』