畑・栽培について
所有する畑はヴーヴレ地区にシュナン・ブランを3.2haと
コー、カベルネ・フラン、ガメを合わせて
0.3ha管理している(一部は借りている)。
慣行農法の畑を引き継いだため、ビオロジック栽培に転換して間がなく、
区画によっては半分以上、ブドウ樹が無い箇所もある。
栽培方法の転換や、植え替え、接ぎ木など、
畑の改良にはしばらく時間が必要だ、とトマは話す。
ボルドー液の使用も多かったようで、
銅成分の土壌残留レベルも高いため、極力ボルドー液の使用も控え、
銅成分の土壌からの除去/排出についても思案中だそうだ。
幸運なことにビオロジック栽培をしている、
ドメーヌ・ユエの隣の畑で、
隣人からの化学合成農薬の影響を受ける心配はない。
畑ではブドウ樹とともに果樹を植えることでモノカルチャーを避け、
より多くの虫や鳥を呼び込もうと試みてもいます。
初年度の2019年は8000本、2020年は6500本、
2021年は6500本の生産本数で、3.5haの畑から考えると多くはない。
樹齢60-80年の一番古い畑では、半分以上のブドウ樹が植わっておらず、
引き取った畑の改良に集中するためこれ以上の畑の拡張は考えていない。
畑はすべて同じ区画にあり、土壌構成もほとんど一緒なので、
ブドウの樹齢でキュヴェを造り分けている。
セラー・醸造について
畑はヴーヴレのエリアにある一方、
セラーはアペラシオンの外のナゼル・ネグロン村にある。
そのためヴーヴレと名乗ることが出来ない(例外もあるようですが)。
ナゼル・ネグロン村は、アンボワーズの町から
ロワール川を挟んで反対側(北側)にあり、
村の小高い坂の上に住居兼セラーを購入した。
トマは2人の子供たちにワイン造りをしているところを
見せたいと考えていたため、住居とセラーが一緒になっていることは、
トマにとっては必須条件だった。これがまた見事なセラーで、
元は石灰岩の採掘場でもあった洞窟上のセラーで、
100年以上、この洞窟内でワイン造りがされてきたそうだ。
ステンレスタンクやグラスファイバータンクも使いながら、
容量的に可能であれば樽醗酵・樽熟成。
亜硫酸の使用については、使わないこともあるが、
通常は瓶詰の1~2か月前に、
それぞれのワインの状態をみながら量を調整して添加する。
濾過はせず、細かな澱が瓶底に沈んではいるが、
味わいにはくっきりとした輪郭と透明感がある。
自分のワイン以外では、バニュルスのエリアが好きだそうで、
9cavesの面々、特にマニュエル・ディ・ヴェッキや
ブリューノ・ドゥシェンから大きく影響を受けたと本人は語る。
ラシーヌさんの資料より
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