ドメーヌ・ド・トリエンヌ |
★1989年、ドメーヌ・デュジャックのジャック・セイスとDRCのオーベール・ド・ヴィレーヌが スタートさせたトリエンヌ。 マルセイユの北東、海岸から30キロメートルほど内陸に入った、ヴァール県はナン・レ・パンの村にあり、 ACのエリアとしてはコトー・ヴァロワに重なる。 そこは古代フェニキア人たちがぶどうを植えて以来、何千年ものあいだ栽培が続けられてきた場所でもあった。 40ヘクタール以上の地所は、ブルゴーニュなどと同じく粘土混じりの石灰岩質土壌からなり、 北のオーレリアン山と南のサント=ボーム山塊の間、標高450メートル前後の緩やかな斜面に広がる。 高地のため、夏の間でも日中の気温は摂氏30度から40度に達するものの 夜間は10度から15度にまで下がるという、まさにぶどう栽培にうってつけの場所。 以前から植えられていたユニ・ブラン、サンソー、カリニャン等に替え、 白はヴィオニエとシャルドネ種、赤はカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、シラー種を接ぎ木している。 ドメーヌが目指したのは、ローヌの主品種であるシラー種にボルドーのカベルネとメルロ種を マリアージュするトリエンヌ独自のワイン。 スタートして数年、ジャックは、ボルドーのムートン・ロートシルトやランシュ・バージュを始め、 カリフォルニア最上のつくり手たち、ポール・ドレイパーやトニー・ソーター、 ジョン・コングスガードらと意見交換を重ね、その成果はしっかりと現在のトリエンヌに反映されている。 赤は、平均で35ヘクトリットル前後という低収量のシラー、カベルネ、 そしてメルロ種を用い野生酵母による1ヶ月間以上におよぶ長期間の醗酵を経て、 良質なキュヴェはデュジャックで使用した樽で1年間の熟成。その後軽いフィルター掛けで瓶詰め。 それぞれのセパージュの最上のキュヴェを吟味してアサンブラージュされるのがサントーギュスト、 またブレンド比率も異なり、よりポピュラーなタイプに仕上がっているのがオーレリアン。 オーレリアン・ブランとなるシャルドネ種は30ヘクトリットル前後と ブルゴーニュのグラン・ヴァン並みに収量を抑え、デュジャックの旧樽とイノックスでの醗酵。 その際バトナージュもしっかりおこない、10ヶ月ほどの樽熟成を経て瓶詰め。 逆にサント=フルールとなるヴィオニエ種には樽は一切かけず、その華やかな香りを閉じ込める。 ロゼは樹齢50年以上となるサンソーを主にシラー、メルロ種も用い、ヴァン・ド・グート(フリーラン・ジュース)に、 2,3時間とほんの短時間果皮を漬け込み、色素を抽出。樽は用いず、フレッシュに仕上げている。 ワインはデュジャックのエスプリが息づいているものの、吹き付けるミストラル、 石灰岩がむき出しになった荒地やそこに自生する人の背丈ほどもあるタイムやローズマリーの潅木類、 そしてオリーヴの林といったプロヴァンスの風土を十分に感じさせてくれる、 スパイシーな風味を備えたものに仕上がっている。 1989年のスタート以来早くも20年近い歳月が積み重なり、現在はジャック・セイスの息子ジェレミーが中心となり、 この地のテロワールの可能性を最大限に引き出すべく、挑戦を続けている。 |
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ヴァン・ド・ペイ・デュ・ヴァール・レ・ゾーレリアン・ルージュ2006 |
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ヴァン・ド・ペイ・デュ・ヴァール・メルロー2006 |
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ヴァン・ド・ペイ・デュ・ヴァール・レ・ゾーレリアン・ブラン2007 |
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