★ロッシュ・ヌーヴのワインを飲む時には、 常にある種の緊張感が生じます。
　ボルドーでワイン生産者の家系に生 まれながらロワールに移り住み、
　自身一代でトップ生産者のひとりにまで登り詰めたティエリー・ジェルマン。
　生命としての、植物としてのブドウの 生態を深く探求し、ブドウを生かす事が、
　理想とする「生きたワイン」を生み 出す事に通じると考え、
　自然との関 わりをひとつひとつ選択して行きます。
　ビオディナミの宗教的・哲学的側面ではなく、
　理論的側面を重視し実践するティエリー・ジェルマンは、
　宗教家のような人物の多いビオディナミ信奉者の中にあって、
　いわば学者のような存在で、まさに知性派ビオディナミストとも呼ぶべき存在です。
　理想主義者でありながら現実主義者でもある。そんな彼のワインへの姿勢が、
　ワインからもよく感じられ、清廉で隙のない味わいのワインを
　生み出しているように感じます。